▼悪夢 ページ1
・
うらたside
俺が駆けつけた時には正直言って理解に苦しむ状況だった。
Aは致命傷だし、向こうのトップと茶髪が剣を混じえているし、。倒れているピンク髪を庇うように立っている茶髪を見る限り、nqrseがAに致命傷を与えたのだろう。それに対して怒っているluz。
その前の戦闘でピンク髪が彼女に与えたダメージや傷には怒らないのだろうか?
、、まあ、俺が幾ら考えても分かることでは無いが、おそらくluzが戦闘の場にいる時は手を出すなと言われていたか、致命傷は与えるなと言われていたか、の2択だろう。
そらるさんの横に立ち、現状を問う。
「Aを助けるチャンスだ、俺が彼奴の左腕を切り落とせる様にサポートしてほしい」
剣を引き抜く彼を横目に、俺も武器を構えた。
あくまで今回の目的はAを奪還するということで、吸血鬼を討伐する必要はない。兎にも角にも隙を狙うしかないのだ。どちらかの吸血鬼が攻撃を始めた瞬間が狙い時だろう。
そう思考を巡らせていた時、luzが剣を振り下ろした。
「luzくん!」
「もういいよ、喋ることも出来ない奴は要らない。」
一言も発せないのか、発さないのかは定かでは無いが、nqrseは地面に転がったまま何も喋らない。
これ程までの殺意を向けられて冷静で居られるはずがない。現にnqrseに対する殺意が、まるで俺にまで向けられているかのような感覚に陥ってしまっている。
luzの殺意が籠った攻撃を、茶髪は剣で弾き飛ばした。今まで涼し気な顔で戦っていた茶髪が珍しく険しい顔をしている。この2匹の戦闘を見ていると、他の吸血鬼とのレベルの違いを まざまざと見せつけられているようだ。
そんなことを考えながらも攻撃が出来る瞬間を待ち続ける。
、、まだだ、まだ今じゃない。
もっと白熱しろ、周りが視界に入らなくなるくらい目の前の戦闘に熱中しろ、。
そらるさんは完全に俺に攻撃のタイミングを任せてくれている。
ミスったら次のチャンスは無い。相手に悟られてはいけない。
じわりと汗が額に滲んだ。
何度目かの激しい攻防が繰り広げられた時、luzの目付きが変わった。
「めいちゃんのことは殺したくないんやけど、しょうがないか、」
「luzくん、nqrseは仲間でしょ?」
「仲間だったら俺の言うこと守れるよね?」
2匹が剣を強く握り直し、脚に力を込めた。
そして激しく剣がぶつかり合うその瞬間。
今だ。
すかさずマシンガンを構えて引き金を引いた。
・
139人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
vt4966cjdf(プロフ) - すごく面白いです!!更新頑張ってください😤 (5月26日 21時) (レス) @page15 id: 48ea68b868 (このIDを非表示/違反報告)
べあ - 吸血鬼になるとは想像つかなかったです…展開が読めなくて毎話わくわくしながら読んでます! (2023年1月20日 9時) (レス) @page15 id: b2e7b104f0 (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - わたあめさん» ありがとうございます!そのお言葉だけで励みになります。ゆっくり更新ですがよろしくお願いします、! (2023年1月16日 0時) (レス) @page14 id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - どのお話もめっちゃ面白くて毎回楽しく読ませていただいています...!これからも更新頑張ってください!! (2023年1月14日 10時) (レス) @page13 id: da5fff30a0 (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - べあさん» そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます! (2022年12月4日 9時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とこ | 作成日時:2022年9月21日 23時