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「まだ試作品みたいな段階でね、普通に人間の血を与えてもあまり変化しないんだ。
君は、自分自身の力を増幅させることはできないけれど、最強の武器なら生み出せる。これは君にしかできないことだよ。」
私にしかできないこと、
吸血鬼化が1人だけ出来ない私は、約立たずだと思っていた。だけど、違かったのだ。私には私にしかできない役目がある。
『un:cさん、ありがとうございます。』
「僕は何もしてないよ、Aちゃんが凄いんだ。君の血液は時に弱点と成りうるかもしれない。でもその反面で、最強の武器にも成りうるということを忘れないで。」
un:cさんはそう言うけれど、この武器を作ったのは多分彼だし、私にしかできない役目を与えてくれたのも彼だ。感謝してもしきれない。
それにしても彼は本当に多才な人間だ。コンピューター系の仕事に加えて薬の調合をやっていると言っていたが、こんな武器まで作り上げてしまうのだから。
「それとこの武器を使うにあたって、1つだけ注意しておくね。」
そう言いながら私の手に握られていた剣にそっと触れる。彼の顔は真剣だった。
「コイツは生きているんだ。だから、血を幾らでも吸うことができる。それはつまり、それだけ強い武器を生み出せるということでもあるんだけど、君を殺すことも可能なんだよ。」
彼と目が合い、ゾワリと背筋が凍る感覚がした。
彼の目から殺気を感じたからだ。
瞬きをした彼の目は元の優しい目に戻っていて、どこか安心する。
「くれぐれも気をつけてね、」
『分かりました、。』
その後も、この武器について詳しく説明を受けた。
血液を与えさえすれば、どんな形にも変形できて、命令も聞く。つまり、元に戻って欲しい時は戻れと命じれば、元の短刀に早変わり。
ただ、色んな変形を可能にするには、感覚を掴むまで練習が必要らしい。今はまだ単純な剣にしか変化させられないだろうと言われた。
そんな有能な武器があっていいものか、と思ったが、そんな武器を自分しか使えないことに心踊ったのも事実である。
早く実戦で使ってみたい。
早く使いこなせるようになりたいと、そう強く思った。
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とこ(プロフ) - こゆきさん» 嬉しいです、ありがとうございます!遅くなり申し訳ないです、続編もよろしくお願いします。 (2022年9月22日 11時) (レス) @page50 id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - ばななさん» わざわざログインして頂き、嬉しいです、!ありがとうございます。遅くなりましたが、続編もよろしくお願いします。 (2022年9月22日 10時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます、お待たせしてすみませんでした、。 (2022年9月22日 10時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 続編待ってます… (2022年8月6日 23時) (レス) @page50 id: b05dbfc063 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めちゃくちゃ面白い!!!普通にハマったw (2022年4月27日 17時) (レス) @page50 id: 405c20d148 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とこ | 作成日時:2021年6月6日 17時