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un:cさんは驚いた顔をしていて、少しして私の言葉を理解したのか、ワタワタと手を振りながら焦り出した。
「違う違う!ごめんね!そうだよね勘違いしたよねこんな言い方!」
想像と違う彼の言動に思わず目をパチクリとさせてしまう。では、一体どういう意味で想定通りと言ったのだろうか、
弱いと言われた訳では無いことに安心する反面、謎が深まるばかりである。
しかし私は、この後の彼の言葉に更に驚く事になる。
「端的に言うとね、君の血液には吸血鬼の力を増加させる作用があるみたいなんだ。」
『、、、ぇ、』
絶句、と言うのが正しいのだろうか、
とにかく言葉が出てこなかった。
だって私の血にそんな力がある訳が無い。どう考えても変だ。確かに親の顔は見たことがないけれど、私は普通の人間だし、、普通の人間、だよね?
人体実験されている今となっては、普通の人間ではないのだろうけれども、そういう事ではなくて、、
、、、もしかしてクスリのせい?いやでも、それは他の皆も一緒の筈だし、
必死に頭をフル回転しても、答えを見つけられる訳がなく、彼に質問を投げかける。
『えっと、それは、、遺伝とか、そういう類のものですか?』
「ううん違うよ。君は普通の人間として生まれ育った。そこは安心してくれて大丈夫。」
それを聞いて少しほっとした。
勝手に私を産んでおいて捨てる様な自分勝手な人間が、普通の人間でなかったとしたら、私は一生恨んでも恨みきれないだろうから。
捨てたことに関しては何も思わない。
彼等のおかげで隊長に出逢えて、皆にも出逢えたのだから、むしろ感謝しているくらいである。
まあ今はそんな奴等のこと、どうでもいいかと考えるのを辞めた。
「僕は君達がクスリを注入される前から身体の状態を事細かくデータとして残し、研究しているんだ。その中でね、副作用が出る子もいた。
そして、突然変異を起こす子も、」
『突然、変異、、』
そんな馬鹿みたいなことが有り得るのだろうか。
「そう、Aちゃん、君は人体実験の中で突然変異を起こし、吸血鬼の力を増幅させる血液を持つ特別な人間になったんだよ。」
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とこ(プロフ) - こゆきさん» 嬉しいです、ありがとうございます!遅くなり申し訳ないです、続編もよろしくお願いします。 (2022年9月22日 11時) (レス) @page50 id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - ばななさん» わざわざログインして頂き、嬉しいです、!ありがとうございます。遅くなりましたが、続編もよろしくお願いします。 (2022年9月22日 10時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます、お待たせしてすみませんでした、。 (2022年9月22日 10時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 続編待ってます… (2022年8月6日 23時) (レス) @page50 id: b05dbfc063 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めちゃくちゃ面白い!!!普通にハマったw (2022年4月27日 17時) (レス) @page50 id: 405c20d148 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とこ | 作成日時:2021年6月6日 17時