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センラside




苦しそうに蹲る彼女を見ていられなくなって近寄る。息は荒いし、と言うより息を上手く吸えていない。

さっきはふざけて暴走したら止めてあげるだの言ったが、実際には俺に出来ることなんて何も無い。

彼女の背中から伝わる体温があまりに熱すぎる。解除はまだ出来んのか?と思っていたその時、自分の手の爪が元に戻っていくのを見て驚く。

バッとまーしぃの方に振り返ると、彼も人間に戻っていた。



「なっ、何で強制解除薬を打ったAより先に、、」



「分からん、」



俺とまーしぃの会話を聞いていたそらるさんが「センラさん!」と叫んだ。

反応した時には既に遅く、先程まで苦しそうに横たわっていたAが俺に飛びかかって来た。避けなければいけないのだろうけれど、咄嗟に彼女を受け止めてしまう。

俺が人間に戻ったから、急に吸血衝動が強くなったのかもしれない。

相変わらず彼女の体温は高かった。



『はっ、はっ、、センラ、、逃げ、て』



苦しそうな彼女は俺の肩に頭を当てて必死に欲に耐えている。

こんなに苦しそうな仲間が目の前に、いや腕の中にいると言うのに、放っておける訳がない。とりあえず落ち着かせなければと思い、彼女の背中を一定の速度でぽんぽんと叩く。



「大丈夫や、俺はお前に殺されたりなんかせんよ。」



『はっ、ゔ、、のどがかわくの、ちがのみたい、』



「大きく息を吸って、ゆっくり吐くんや。もうすぐ薬が効くから安心しとき」



そう落ち着いた様に言うものの、実際は緊張から脈は速いし冷や汗も止まらない。

それは俺が死ぬかもしれんという意味では無く、彼女がこのまま戻れなかったら処分されてしまうからだ。

頼むから早く戻ってくれと、心の中で何度も願う。

ハッ、ハッ、と苦しそうな彼女の荒い呼吸が耳を掠める。肩から顔を上げた彼女が、俺の首筋を見ているのが分かる。

飲みたいなら飲んでええよ、そんなにキツイのなら、血を飲むことでその苦しみから解放されるのなら、飲めばええのに。そう思うが口にはしない。

彼女が必死に自分自身と戦っているのだ。その気持ちを踏みにじりたくは無かった。

でも、もう限界か?


小さく口を広げる彼女が、その牙を俺の首に沈みこませようとする。彼女の苦しそうな吐息が首に当たって、その辛さをより実感する。

その時、急にダンっ!と大きな音が響いて、俺の腕から彼女が居なくなった。


目の前で天月くんが彼女の頭を床に押さえ付けていた。




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とこ(プロフ) - こゆきさん» 嬉しいです、ありがとうございます!遅くなり申し訳ないです、続編もよろしくお願いします。 (2022年9月22日 11時) (レス) @page50 id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - ばななさん» わざわざログインして頂き、嬉しいです、!ありがとうございます。遅くなりましたが、続編もよろしくお願いします。 (2022年9月22日 10時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます、お待たせしてすみませんでした、。 (2022年9月22日 10時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 続編待ってます… (2022年8月6日 23時) (レス) @page50 id: b05dbfc063 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - めちゃくちゃ面白い!!!普通にハマったw (2022年4月27日 17時) (レス) @page50 id: 405c20d148 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とこ | 作成日時:2021年6月6日 17時

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