▼目には目を ページ27
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あらきside
俺の目の前に立っているのはたった一人。それに比べて少し離れた場所にいるnqrseの方は三人ときた。エラく舐められたモンだな。
「お前一人で俺と殺り合おうってのか？」
「そうだけど。」
正直この人間は弱そうだ。何処かゆったりしていると言うか、そういう雰囲気がある。さっき指示を出していた所を見るに一番偉い奴なのかもしれないが、お世辞にも強そうには見えない。
はぁ、ハズレを引いちまったか、。
「俺としてはすぐ死なれちゃつまんないからnqrseと代わって3対1でやりたいくらいだけど、なんかnqrseに殺意やべえ奴いるし他の二人こっちに呼べよ。」
「それは無理だな、俺が彼奴等を巻き込まずに闘う自信が無い。」
「ほう？余程自信があるんだな。」
「いや、自信なんて無いさ。本当に強かったら力を制御できるだろ。でもこれは俺でも制御し難い。」
そう言いながら人間は何やら注射器を取り出して手に握り締めた。中には透明の液体が揺れている。
俺等が呑気に話している間にも、向こうでは既に激しい戦闘が繰り広げられている。
「なんだそれ、」
「目には目を歯には歯を、じゃあ吸血鬼には吸血鬼を、だろ？」
次の瞬間自身の首に注射器をぶっ刺し、中の透明な液体を身体に流し込んだ。数秒後、自分を抱き締める様に両腕を掴み苦しみ出す。少し呻き声が零れている様子からかなり苦しいのだろう。
此奴何やってんだ？毒でも入れたのか？
やっと落ち着いたのか顔を上げた此奴の口から覗くのは鋭い牙、手に視線を移せば爪は尖っている。
「ハッ、面白い。敵である俺等になる薬って訳か。」
「まあ一時的なものだけど。時間切れになったら元に戻る。お前を倒す前に俺が人間に戻ったら俺の負け。」
こんな奥の手を隠していたとは。
今の今まで一度も見たことなんて無かった。
「なんでお前しかそれを使わねぇんだ？」
「危険だからさ。俺しかまだ使いこなせない。ま、使いこなせてるのか微妙なとこだが。」
「成程な俺は運が良い。一番の当たりくじを引いたんだから。」
「一番のハズレくじの間違いだろ。」
奴の碧い瞳は、先程まで生温い優しさを映していたのが嘘かのように鋭い瞳に変わった。
つい頬が緩み自然と口角が上がるのが分かった。
久しぶりに少しは楽しめそうだ。
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とこ(プロフ) - 七星さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます！続編もよろしくお願いします (2021年6月6日 17時) (
レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - Haoto-ハオトさん» ありがとうございます！嬉しい限りです、 (2021年6月6日 17時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - 瑠海那さん» ありがとうございます、続編もよろしくお願いします！ (2021年6月6日 17時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
七星 - 久々にこんなに面白い話に出会いました…!!!!!ゆっくりでも良いので続編お待ちしております。 (2021年6月6日 16時) (レス) id: f91053f6f0 (このIDを非表示/違反報告)
Haoto-ハオト(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！続編も頑張ってください！！応援します！！ (2021年6月6日 2時) (レス) id: 17268be681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とこ | 作成日時：2020年6月7日 20時
