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彼が私を特別扱いするのはこの部隊に配属された時に最初に仲良くなったのが私だからだ。
と言うのも、まふは最初心を閉ざしがちで人との関わりを避けていた。私は孤児院の時に隊長が気にかけてくれたお陰で救われた経験があるから、今度は自分が誰かの役に立ちたくて誰より積極的にまふに声を掛けたし何かと気にかけた。
勿論隊長や他の皆も気にかけていたけれど、私のまふへの干渉度は並ではなかったと自負している。まだ私も小さかったし誰かに頼って貰いたくてやってた所も少なからずあると思うが。
そこから少しずつ打ち解けていって、今に至る。
まふの特別扱いは嬉しいけれど心配なのだ。
戦場に出てる以上いつ死ぬか分からない。もし私が死んだら彼はどうなる？この前救護室で目を覚ました時の彼の焦りようを見て、より不安になった。
戦場に立つ私達は特別な一人をつくってはいけないと私は思っている。
私は特別な一人をつくることが怖い。だから仲間全員を ''一番特別'' の枠に括っている。依存しないように。
たった一人の特別に振り回されて依存してしまったら失うことの恐怖が全然違うと思う。
そろそろ身体動かそうかなと立ち上がり部屋を出ようとした時、コンコンと窓が叩かれる音がした。
ここは三階の筈、
バッと振り返る。
そこに居たのは、にぱっと笑う茶髪の男。鋭い牙と鼻を掠める血の匂い。それと同時にぞわりと鳥肌が立つ。
何でここに吸血鬼が？と混乱する。本部の場所はバレないように工夫されているし、監視カメラも沢山設置されていて一歩でも敷地内に関係者以外の何かが侵入したら放送される筈なのに。
攻撃しようにも出動の時しか武器の保持は認められておらず、隊長室まで行けば緊急用の銃があるが此奴を放置して部屋を出る訳にもいかない。
窓を開けてと鍵を指差している目の前の吸血鬼は気配を完全に消して居たのか、彼が窓を叩くまで全く気付かなかった。
まず連絡機器で同じく待機している志麻に連絡を入れる。
「なんや？」
『隊長室から銃持って私の部屋来て！！早く！！』
「了解」
緊急事態だと察してくれたのだろう。詳しい説明など何もしていないのだから。
パリンっという嫌な音がしてパラパラと床に広がるガラス片。散らばっているガラスが月明かりを反射してキラキラと光っている。
そのガラス片を踏み付けながら立っている彼は相変わらず屈託の無い笑みを浮かべていた。
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とこ(プロフ) - 七星さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます！続編もよろしくお願いします (2021年6月6日 17時) (
レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - Haoto-ハオトさん» ありがとうございます！嬉しい限りです、 (2021年6月6日 17時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - 瑠海那さん» ありがとうございます、続編もよろしくお願いします！ (2021年6月6日 17時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
七星 - 久々にこんなに面白い話に出会いました…!!!!!ゆっくりでも良いので続編お待ちしております。 (2021年6月6日 16時) (レス) id: f91053f6f0 (このIDを非表示/違反報告)
Haoto-ハオト(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！続編も頑張ってください！！応援します！！ (2021年6月6日 2時) (レス) id: 17268be681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とこ | 作成日時：2020年6月7日 20時
