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ﾋﾟｯ､ﾋﾟｯ､と規則正しい機械音が耳に入ってきて少しずつ意識が現実へと引き戻される感覚。
薄く目を開くとコンクリートの天井。
ああそうか、志麻に助けられて生きて帰って来れたんだった。
身体を起こそうとするが力が入らない。まだ私の身体は回復していないのか？と無性にイラついた。
右腕と左手に違和感を感じ、チラと右腕を見ると点滴が刺さっている。大方回復薬とかの類だろう。もしかしたら人外にする為のクスリも少し入っているかもしれない。
私達は未だに月一回クスリを注入されている。もっと強くなれと上のクズ達からの命令だ。沢山注入し過ぎて死んだらどうしてくれるんだ。
なんて、とっくに死んだ孤児達とは違いここまで生き残ったんだ。そう簡単には死ねない身体になっているのかもしれない。
左手の方に視線を移すと私の手を握ったままベッドに顔を伏せて寝ているまふがいた。
不眠に悩まされている彼がこうして眠っているのだから、起こすのは気が引けてそっとして置いた。
まあどっちにしろ起き上がることも不可能な身体ではどうも出来ないのだけれど。
生きていて良かった、と思った。あの時は本気で死ぬと思ったのだ。
力の入らない手で彼の手を弱々しく握り返す。
「、、ん、」
『あ、ごめん、、起こした？』
ゆっくりとしか喋ることが出来ず、喋ることすら普通に出来ないのかと自分に更に嫌気が差す。
ゆっくり上体を起こすまふに、せっかく眠れていたのに申し訳ないことをしたなと少し罪悪感に襲われた。
まだ寝惚けているのか目を擦った彼の赤い瞳と目が合った。
すると一気に状況を理解したのか目を見開き突然抱き締めてくる彼。
『！、、ちょ、』
「馬鹿！心配した、、、、ほんとに、良かった。」
私を抱きしめる彼の腕は震えていた。
嗚呼、本当に私は馬鹿だ。あの場で帰れないかもと思いまふに謝った。帰って来てもこんなに心配させているのに、帰れないなんて嘘でも思っちゃダメだ。
仲間の為に死ぬのでは無く、仲間の為に生きなくてはならない。
『うん、ごめんね。』
「、、目覚まさなかったらどうしようかと思った、」
『大丈夫だよ、私生命力強いから。』
「はぁ、馬鹿。」
うん、そうだね。
私は大馬鹿者だ。
力の入らない身体でまふの背中に手を回せない代わりに、彼の肩に顔を埋めた。
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とこ(プロフ) - 七星さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます！続編もよろしくお願いします (2021年6月6日 17時) (
レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - Haoto-ハオトさん» ありがとうございます！嬉しい限りです、 (2021年6月6日 17時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
とこ(プロフ) - 瑠海那さん» ありがとうございます、続編もよろしくお願いします！ (2021年6月6日 17時) (レス) id: f32dc7a6dd (このIDを非表示/違反報告)
七星 - 久々にこんなに面白い話に出会いました…!!!!!ゆっくりでも良いので続編お待ちしております。 (2021年6月6日 16時) (レス) id: f91053f6f0 (このIDを非表示/違反報告)
Haoto-ハオト(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！続編も頑張ってください！！応援します！！ (2021年6月6日 2時) (レス) id: 17268be681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とこ | 作成日時：2020年6月7日 20時
