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足がもつれて地面に飛び込み、ガリッと嫌な音を立てて膝に衝撃が走る。
しかし、そんな事すら気にしていられないほど無我夢中に足を進めた。
一歩でも早く、あの場所から離れたかったから。
「う、ぁ…あぁ…っ！」
声にならない言葉が口から零れ落ちる。
ぐにゃりと歪む視界と共に、一粒の涙が溢れた。
自分は、祐基くんに大切にされ、そして愛されているのだと本当に思っていた。
彼は私の意見をいつだって尊重してくれた。
いつかはそういう行為をしたいとは思っていても、初めて故になかなか踏み切れない自分に対し"大丈夫。俺はAの気持ちが決まるまで、無理強いは絶対しないから"と優しく言ってくれていたのだ。
それなのに、こんな裏切りはあんまりじゃないか。
次々と溢れ出る涙をぐいぐい袖で拭いながら、角を確認もせず勢いよく曲がった。
その瞬間、体全体に鈍い衝撃が走り、次の瞬間にはお尻を思い切り地面へと強打していた。
「ってぇ…危ないやろ！ちゃんと確認してから…え、A？」
上から聞こえてきたのは、ずっとそばで聞いてきた気怠げで今は最も安心する声。
「こ、いち…っ」
嗚咽に混じり小さく言葉を吐き出せば、晃一は身を屈めてこちらに視線を合わせてきた。
そしてボロボロと涙を流す私に気付き"腰打ったのそんなに痛かったんか？！"と見当違いのことを聞いてくる。
確かに腰は痛いが、それよりも今は胸が痛い。
なんとか晃一に声をかけようと言葉を発してみても、出てくるのは不明瞭な音ばかり。
「うわわっ、落ち着けってA！」
「あの、あ、あのね…ゆぅ、うっうぁ、ああ…っ！」
「ちょ、ここ住宅地やから…！な？とりあえず、家戻るで」
まるで壊れ物を扱うかのように優しく肩に触れたその手の暖かさが、余計に私に涙を流させる。
ゆっくりと立たせられ服についた砂を払い落とし、晃一は私に歩幅を合わせて歩いてくれた。
小さな虫の鳴き声と自分達の足音以外に周りから聞こえる音はなく、辺りはシンと静まり返っている。
晃一は何を聞くわけでもなく、ただただ前を向いて私の家へ向かってくれた。
それが今はありがたく、私はただ鼻水を啜りながら必死に足を動かした。
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メリッサ - ひかり。さん» 作者のメリッサと申します。私自身、コーイチさんのお話をこれからも書いていきたいとは思っていたのですが、このまま書いていいのか迷っていたので…こう言った意見は本当にありがたいです。 ありがとうございます！ (2018年1月19日 15時) (
レス) id: 6d7431c047 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり。 - コーイチは、ずっとメンバーです。わたしは、出して欲しいです。まるでコーイチがメンバーじゃないかのようにされた方が悲しいです。 (2018年1月19日 8時) (レス) id: 5893496fcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メリッサ | 作成日時：2017年11月23日 6時
