26.世界はキミを嫌っていく ページ28
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「まず前話した通り、
私の本質は呪術師と言うよりも《結界師》に近いって話はしたよね」
適当な大きな瓦礫に腰をかけて、おしゃべりをする。
補助監督の人がかけた帳はまだ上がってはいない。
おそらくまだ、駆除が終わっていないと思っているんだろう。
聞かれたくない話をするからむしろ都合はいい。
廃墟の中の密室で秘密を打ち明けると言う状況は心に躍った。
「結界が貼れない呪術師が多いのは、
自分の呪力をその場に留めないといけないって点がデカくてね。
呪力って自分の負のエネルギーだけど、
言い換えれば《感情》《思い》だから、
自分から切り離して体外に留めることが難しい」
怒りなんて所詮は消耗品だ。
使えば消える。ばら撒けば薄くなり希釈する。
それを形にして、留め、領域に境界を作るのは多大な技量がいるのだ。
「それを簡易化するのが私の術式で、
それ故に私の一族は結界師を名乗ってきたのだけれど……。
ここまでで質問は?」
「大丈夫です」
まぁ、結界については授業を受けてるもんね。
悟はどうだか知らないが、傑は座学も優秀そうだ。ここらへんの基礎は高専の一年生のうちに習うから触る程度で終わらせる。
「じゃあ、次に封印についてだけども。
封印は大まかに分けて二種類が存在するんだ。
ひとつは弱体化。
代表的なのは呪符だね。
封印するものの効力を弱めて、影響を無くすのが呪符の役目。
宿儺の指とかもそう。
呪いを呪いで上書きするって感じかな?
ふたつめは隔離。
封印するものを外部と隔離して、閉じ込めてしまう。
これは、……獄門疆とかがいい例かな。
要は閉じ込めて仕舞えば安全だろってこと。
まぁ、拘束具を使うか牢屋に入れるかって感じかな??」
封印の話は高専ではあまりしない。
それは扱えるものが極端に少ないからだ。
反転術式と同様誰もが扱えるようになるものでもない。
特に閉じ込める方は、異例中の異例だ。
封印と呼べるまで強度を高めると、それは世界の《境界》を操っているのに等しい。
概念的なあっち側とこっち側を隔てることで、境界を渡る術を持たない封印物は何をしても出ることは叶わない。
「A先輩はどっちなんですか??」
わざわざ結界について話してから、封印について説明したんだ。
傑も分かっているはずなのに、聞かずにはいられないその様子にふふっと笑う。
「まぁまぁ、、、じゃあ実践してみようか??」
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かるうら(プロフ) - 50話分しかなかったはずなのに、今までにないくらいの重量感で恐れ入りました。なんだか第5章くらいまで読んだ気分です。2章に行って参ります! (2020年8月3日 21時) (レス) id: 2c64977e89 (このIDを非表示/違反報告)
サイコロ - 最の高だ…推しが絡んでる… (2020年3月19日 16時) (レス) id: d3e3d1ba1a (このIDを非表示/違反報告)
さとう - とても面白いです!応援してます! (2020年3月9日 19時) (レス) id: 74e459d58c (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - 吉田さん» いいえ!神様は芥見下々先生です!!!でも、そう思ってくださり嬉しいです (2020年3月6日 22時) (レス) id: b5f5114d16 (このIDを非表示/違反報告)
吉田(プロフ) - 作者様は神でしょうか?( ˘ω˘ ) スヤァ… (2020年3月5日 1時) (レス) id: fb4495920c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺 | 作成日時:2020年1月19日 23時