【今亡き人の日記より抜粋】 ページ2
【今亡き人の日記より抜粋】
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ヨコハマに、海が見える公園がある。
私はよくその公園の片隅にある、海が見えるベンチで一服する。
こそは木に囲まれた人には見つけにくい場所。
大木の下に置かれた物寂しいベンチ。
ここに来る理由は様々だ。
仕事での悩みや、何となくのと気もあるし決まりはない。
よく晴れた日。
その人物は私の前に現れた。
『__________ねぇ、タバコのお兄さん。
いつもここに居るよね』
無邪気に笑う幼女。
少女というには未だ幼い
私は目を見開き、間抜けに口に加えていたタバコを落とした。
〆
友人ができた。
歳が4の小さな友人だ。
私が不定期に公園を訪れ、必ずしもあのベンチに座っているとは限らないのに、
あの小さな友人は必ず私を見つけて無邪気に笑う。
仮にも私は暗殺者だった身。
気配を消す事に長けていると自負しているが、
その私を悉く見つける友人は天性の才でもあるのか。
何にしろ、
無邪気に私の名を呼び笑う姿は、心を和ませる良いものだ。
〆
『織田作!!
この眼は世界を見つめるために神様が私にくれたんだって、神父様が云ってたの!!!
織田作も一緒だったんだね』
そう云って喜び飛び跳ねる友人に私は戸惑った。
彼女が悉く私を見つけるのは、
異能によるものだったらしい。
友人は“同じ”だと云ってるが、
多少なりながら異能に詳しい私にはわかる。
私の異能は数秒後の未来を観測するが、
友人は“不可視”と呼ばわれるモノを“観る”ことが出来る所詮魔眼と呼べるものの持ち主だ。
友人は世界は色鮮やかだと語る。
異能越しに見ると、世界は一転し美しく輝くと。
だが私は恐怖を覚えた。
友人は、何時しか人には見えない、“見てはいけないモノ”さえ視界に捕らえてしまうのではないかと。
この天衣無縫な友人が、世界に絶望するのではないかと__________________。
〆
いつもと何も変わらない。
大木の下に置かれたベンチ。
『_______織田作ッ!!
アレ、私たち狙ってない?!』
急に立ち上がった小さな友人の指さす方向を見た。
そして、脳裏に映るのは弾丸に貫かれた友人の姿。
その時私は、長い間の悩みに終止符を打つ決意をした。
_____次頁に続く____
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【今亡き人の日記より抜粋】
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マリンゴ(プロフ) - 淳じゃなくて敦じゃないですか? (2018年6月13日 16時) (レス) id: a4638c592a (このIDを非表示/違反報告)
らっこ - 更新待ってましたーーー!!!!!もう大好きです!!なんども読み返してます笑これからも更新頑張ってください!! (2018年6月8日 0時) (レス) id: b3cc38c94b (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - ここみんずさん» 盲点でした。ご指摘ありがうございます!異能力名はそのままの【空の境界】にしたいと思うので、そっちの方で後で注釈のページを作りたいと思います。関連キーワードの方は最大3個までしか興すことが出来ないのでタグ付けできなく申し訳ないです (2018年3月2日 23時) (レス) id: 27d4bf92b8 (このIDを非表示/違反報告)
ここみんず - ギリギリそのまま使っているというわけでもないですが、タグにないというのもどうかと個人的に思ってしまったのです。ですが私も面白いと感じて先を期待してるので頑張って下さい (2018年3月2日 20時) (レス) id: dbfcb54f1b (このIDを非表示/違反報告)
ここみんず - おや?夢主の能力名や力といい、最初の辺りで太宰に発したセリフにどこかで聞いた覚えがあります。主にタイプムーンの作品で。これで本当にわからないなら、fate世界観とでも加えておいたほうがいいと思います。ナマ言って申し訳ありません。 (2018年3月2日 20時) (レス) id: dbfcb54f1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺 | 作成日時:2017年11月8日 23時