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猫のように手に擦り寄ってくる彼女。
アルコールのせいで少し顔が赤くなっている。
眠気も来たのか目もトロンとしていて正直理性との戦い。
「ねむい。」
「歯磨いて寝る？」
「うん。」
フラフラと立ち上がりコップを片付けようとするのを制して、洗面所へ見送った。
ペタペタとやる気がなさそうに歩いているのもほんまにかわいい。
「けんもねるの？」
「うん。」
「じゃありびんぐのえあこんきっちゃうね？」
「ありがと。」
「うん。べっどおさき。」
ふにゃふにゃと喋りながら寝室に消えて行った。
マウスピース入れると滑舌が少し弱くなるところも可愛い。
あぁ、俺の彼女は余すとこなく可愛い。
「おやすみのちゅーは？」
「しない。まうすぴーす。」
でもおやすみのチューしてくれないのは可愛ない。
容赦なく口に指を突っ込む。
彼女は眠気が吹っ飛んだかのように目を白黒させた。
「にゃにやってんお！！」
「マウスピース取ろうおもて。」
「は！？」
「あ、取れた。」
意外と簡単に取れるもんだななんて呑気に思っていたら、彼女が怒気を含んだ目をこちらに向けていた。
「ちゅーいっつも断られて俺寂しかってんけど？」
啄むようなキスを彼女に落としながら呟いた。
言葉と同時に、胸を押し返された。
「だ、だって健何も言わないから！」
「そんなの寂しいなんか言いづらいやろ。
日本男児系だし。」
「何それ、聞いたことない。」
「マウスピースが理由でできないんやったら、外すのもつけるのもしてやるわ。」
「いや、それは違うと言うか…。」
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作者名：ミヤ | 作成日時：2023年7月26日 21時
