My liar darlings. (ページ7)

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ちゅーとマウスピース🅰️💜 ページ7

私は寝る時必ずマウスピースをする。
否、するようになった。

職場のストレスが積み重なり、睡眠時に歯を食いしばる癖がついてしまったが故。

彼氏の家に行って泊まる時はしないことにしてたが、この度めでたく同棲。
職業柄忙しい彼とは多くても週に何回かしか会えてなかったからこそ成立していたマイルール。

どうやら改訂しなければいけないみたい。

「と言うことで私寝る時マウスピースしてるから。」

食いしばりの説明をしてマウスピースをつけて寝ると言う趣旨の説明をした。

健は興味がなさそうに「へぇ。」っと呟いた。

ドライな彼にとっては特に気にすることでもなかろう。
取り敢えず一安心、と胸を撫で下ろした。

「寝る前のチューは？」

「もうマウスピースしたから無理。
おやすみ。」

彼氏の可愛い願いだが、もう口元がゴツゴツとしている自分とキスして欲しくない。
そんな一方的な願いで断り続けていた。
彼が不満を言うこともなかったし。

朝マウスピースを外していると、後ろに現れた彼。
じーっと鏡越しに私を見ている。

「何？」

「いや、マウスピースってどうやって取るんかな思て。」

「割と簡単だよ。奥歯の方から外して取る。」

「へぇー、そうやって取れんねや。」

興味津々と言ったわけでもなさそうだった。
ただなんとなく気になったんだろう。
気まぐれな彼だから。

じーっと口の中を見つめられるのは、なんだか気恥ずかしかったが。

「えろいな。」

聞き間違いかと思うような言葉が耳に飛び込んできた。
しかもめっちゃ真顔だし。

「は？」

「いや、なんかなぁ。」

「普通にキモいよ？顔面で誤魔化せないよ？」

「いけるっしょ、この顔やし？」

「マジ無理。」

「えぇ、そんな？」

ケラケラと笑っているがまあまあヤバいよ？
まあ、この突拍子のなさが健っぽいけど。