My liar darlings. (ページ5)

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くっつき虫と熱帯夜　⛄️🍫 ページ5

異常気象による例年よりも激しい熱帯夜。

エアコンと扇風機をフル稼働させてリビングで夜を過ごす。

もうそろそろ寝ようか、と声をかけて寝室のエアコンを稼働させに向かった。

ピッ、と電源を押すがうんともすんともならない。
電池を換えても稼働音が聞こえることもなく。

「終わったわ。
ひーくん、エアコン壊れた。」
「マジかぁ。
明日修理の人呼ぼっか。」

寝室のドアを全開にして、寝室に涼しい風を寝る直前まで送り込んだ。
歯を磨いて向かった寝室は、ギリギリ耐えれそうな温度感。

「扇風機回せば寝れそう。」

彼はまだやることがあるらしく先に眠りについた。

数時間後、あまりの暑さと汗で目覚めた。
原因はわかっている。

私を抱き枕にしてスヤスヤと眠っている彼だ。
覆い被さるように私にくっついている。

「暑すぎる。」

そんな状況に耐えきれなくなった私。

彫刻のように鍛え上げられた石のような腕から逃れようともがく。

「んんっ。」

彼のひたいにくっついた前髪を横に流し、眉間によった皺を撫でた。

「暑いのになんでくっつくかね。」

返事のない彼に問いかけながら頭を引っこ抜けば、なんと脱出成功。
無理ゲーかと思ったけど、案外諦めないことも大事だな。

エアコンをつけてリビングの床にキャンプ用のベッドマットを敷いて、掛け布団にもなる寝袋を被って再び眠りについた。

趣味のキャンプがこんなところで役に立つなんて、と思いながら。