My liar darlings. (ページ4)

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「でもさ、Aにとってこんなええ男他にはおらんで？俺Aの為やから東京からこうやって誕生日に会いにきてんけど。」

線香花火のオレンジの柔らかい光が彼を照らした。

「お祭りだって花火だってAのこと好きやから一緒に行っててんけど、伝わってた？」

確認するように、眉を下げて困った顔で笑った。
あぁ、自信がない時にする癖も変わってない。

何年も変わってない癖を、いつまでも覚えていた。
もう答えは出てたんだ。
ずっと、ずっと前から。

「…知らんかった。康二は人気者やったし、それに夢もあったから。ただの友達やないと、幼馴染やないとあかんとおもてた。」

ポトっ、と私の火が落ちた。

私の全勝記録はここで終止符を打った。

負けた方が勝った方のいうことを聞く。
それがこのゲームのルール。

「俺の勝ちや。
もう気持ちを隠すのは無しで。
付き合おう。」

「ずっと好きやってん。今も好きやでA。」

「…私も。」

私の告白と共に落ちた彼の火。
バケツに投げ捨てて泣きながらハグしてきたあの日。

来年も、再来年も、ずっと一緒に花火見ようね。