第百四話 ページ10
〜カナside〜
鉄砲隊はギリギリまで来て、一列目が構え始めた。だが、こちらは全く怯むことは無い。そう、ここからは佐武の鉄砲隊の腕前を披露する様なものだろう。
あたしらは、あくまでも殺さない程度で戦いをしている。まぁ、殺さない程度という事は、怪我はさせても良いという事でも無いが、戦に怪我は付き物だ。
無傷な物など、殆どいないだろう。だから、多少の怪我は我慢してもらう。にしても、構えからの行動がゆっくりじゃないか？
こちらにいる佐武の鉄砲隊は、準備万端なんだが…ようやく向こうも狙いを定め始めた様だな。鉄砲隊の隊長であろう者の声が聞こえた。
虎若の父「放てー！」
虎若のお父上が佐武の鉄砲隊に向かって放ての合図を出すと、佐武は敵の陣笠(頭に被っている物)を打って飛ばした。
向こうもやられまいと打ち返してくるが、咄嗟のことだがら、狙いは定まって無いため、こちら側へは飛んで来ていない。恐らく、前の方で地面に当たっているのだろう。
一方、佐武は打ち返して、タソガレドキ鉄砲隊の鉄砲を吹き飛ばした。流石佐武だな…相手も驚いているようだ。すると、
兵「さ、佐武〜！？」
え、どうしてわかったんだ？佐武の旗など出していなかったはずなんだが…そう思って周りを見渡すと、後ろの家の屋根から佐武の旗が上がっていた。なるほど、誰かが上げたのか。
そこから、また佐武の鉄砲隊は打ち続けた。何列もある相手の鉄砲隊の鉄砲や、陣笠(頭に被っている物)を飛ばしていく。
弾込めは速く回さないと間に合わない。まぁ、そんな事にはならないんだがな。一応、順調に進めているつもりだ。
三木ヱ門と虎若は、照星さんの近くで作業していた。それは良いんだが、虎若は照星さんにしか弾を込めた鉄砲を渡さない。あたしと兵助が、虎若のお父上に渡していた。
照星「若太夫。お父上にも渡してあげなさい。」
虎若「え？」
虎若の父「平気、全然気にしてないし！」
と、涙を流しながらあたしに打ち終わった鉄砲を渡し、兵助から新しい鉄砲を受け取っていた。あたしと兵助は苦笑い。
泣いているなんて、全然気にしてないわけないだろう。やっぱりそうなるよな…あたしが虎若と変わった方がいいのか？だが、気にしていないと仰っているから、まぁ、いいか。
それを、その言葉の通り気にしていない虎若も虎若だ。もう少し気にしてやってもいいと思うんだが…
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*:.｡. kana.｡.:*(プロフ) - 勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡さん» コメントありがとうございます！夢主ちゃんの事、気に入ってくださってありがとうございます°ʚ(*´˘`*)ɞ° (2023年2月12日 7時) (
レス) id: b349f693ac (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - うわぁ主ちゃんの性格ドタイプですわ〜 (2023年2月12日 0時) (レス) id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
*:.｡. kana.｡.:*(プロフ) - わそ姉大好きリスナーさん» ありがとうございます！続きも楽しんでくださいね！ദി ᷇ᵕ ᷆ )♡ (2023年1月27日 22時) (レス) id: b349f693ac (このIDを非表示/違反報告)
わそ姉大好きリスナー - 面白かったです、(^^ω)続編に行ってきま〜す (2023年1月26日 22時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
*:.｡. kana.｡.:*(プロフ) - 忍たま好きさん» ありがとうございます！(*^^*) (2022年12月20日 22時) (レス) id: b349f693ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：*:.｡.kana.｡.:* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/a05ced32431/
作成日時：2022年7月3日 12時
