嘘９個目 轟side ページ10
『ただの、嘘、だよな、うん』
見たこともないようなAの悲しげな雰囲気に、握っていたペンが手から落ちる。
眉は下がっているのに口は笑っている。…自虐的な笑み、そんな表現が一番似合う表情だった。
「悪りぃ。そんなに嫌だったか」
そうだ。こいつは
「好きでもねぇ奴にこんなことされてもな…本当に悪かった」
こいつは、俺じゃない誰かが好きなんだった。
多分同じクラスの誰かだろう。
恋愛事情に詳しいわけでもない
女子に言わせれば「鈍感」な俺に、
Aが見つめる先には誰がいるのかなんて考えられなかった。
わからなかった。
…いや、考えなかった。考えたくもなかった。
残念ながら目星はついている。飯田か緑谷だろう。
俺とその二人でいるとAは必ず俺じゃない奴に話しかける。
そして、『あ、そういえば』なんて思い出したかのように俺に話題を振る。
その度にこっちは「なんで」「俺を見て欲しい」「好きだ」
なんて感情を殺し、そっけない返事を繰り返していた。
もうそんな日々に疲れて、
「Aの恋を応援する。Aの幸せが一番大事なのだから。」
そう決めてまだ一ヶ月も経っていない。
俺、未練タラタラじゃねぇか
『嫌じゃない』
「……？」
さっきの笑みを消し、今にも泣きそうな顔でこっちを見てくる。
『嫌じゃない。って言ってんの、』
『轟、さっき「好きでもない奴に」って言ったよね。今日だから言う。今日なら言える』
ふぅ、と一呼吸ついて、ばしばし自分の胸を手のひらで叩いて、また一呼吸置き、口を開く
『私の好きな奴は轟。轟が、好きなんだよ…』
最後は消え入りそうな声になりながらAは「嘘」をついた。
「そんな嘘を、つかないでくれ。」
Aの目を見ることができなかった。
喧騒がどんどん離れていく。
心臓がうるさい。
冷や汗が流れる。
体を浮遊感が襲う。
『信じて欲しい。これは嘘じゃ＿＿＿＿
[落書きタイム終了！]
二人揃って肩が跳ねる。
「今何か言いかけ…」
『よっしゃ、次はプリントだな！轟、どれにする？』
無理やり笑顔を貼り付けたAに
「…何でもいい」
また、そっけない返答しかできなかった。
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小手鞠(プロフ) - ちぃとんさん» あーーーw集中ってそんな長く続きませんもんね…wお互い頑張りましょう！！ (2018年11月8日 20時) (
レス) id: 507b5d4fca (このIDを非表示/違反報告)
小手鞠(プロフ) - みおさん» ありがとうございます…！待っていてくださる方がいるなんて嬉しい（ ;ω ; ） (2018年11月8日 20時) (レス) id: 507b5d4fca (このIDを非表示/違反報告)
ちぃとん(プロフ) - 私も受験生なんですが、勉強もせずに占ツクに入り浸ってますw 私も勉強しなきゃな、、、 更新できるようになるまで私もおとなしく勉強しますw(；゜∀゜) (2018年11月8日 10時) (レス) id: 1c08bbf829 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 受験勉強頑張ってください！小手鞠さんが落ち着いて更新できるまで待ってますね！初コメ失礼しました。 (2018年10月26日 11時) (レス) id: 7eccd963e8 (このIDを非表示/違反報告)
小手鞠(プロフ) - Rayさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年10月23日 22時) (レス) id: 507b5d4fca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小手鞠 | 作成日時：2018年10月15日 18時
