【文アル】兼業さんの話【とうらぶ】 (ページ3)

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土曜11時、潜書室ページ3

「…そんな不安そうな顔をするな。安心しろ、手前が必ず任務を遂行させる」

「は、はい…皆さん、気をつけてくださいね」

「ああ、行ってくる」

横光は『桜の木の満開の下』を手に取って適当な頁を開く。
其処からぱあっと光が広がって、第四会派の4人は潜書を開始した。

「よし、それじゃ有魂書の方に行こっか」

「ですね」

青い無題の本がずらりと並んだ棚から適当に2冊を抜き出す司書。
其れを棚から少し離れたところにある石造りの台座の上に置くと、銀色の栞を挟んで洋墨の瓶を傍に置いた。

「中原先生、夏目先生、お願いします」

「しゃーねーなぁ、行ってくっか」

「迷い子を導くのも年長者の役目ですね」

ふわり、柔らかな光が広がる。
2人の文豪は本の中へ潜っていった。

「はー…次は一般フロアの見回りですね…」

「ふふ、頑張ろう？終わったらアイスクリームを用意してくれるって」

「甘味で釣ろうったってムダですよ。頑張りますけど」

こつこつと足音を響かせて、2人は潜書室から出ていった。