第百四十四話 ページ5
「やあ、脹相」
悠仁を追ってきた脹相の鼓動が早くなる
脹相は夏油を知っていた
「気付いたようだね」
「そういうことか!! 加茂憲倫!!」
脹相が怒りを顕にして叫ぶ
「「「加茂…憲倫!?」」」
その名は、呪術師をやっていれば誰しも知っている
「私!?」
「違う
明治の時代、呪胎九相図を生み出した…加茂家の汚点、史上最悪の術師のこと……でも、成程ね」
Aは納得したようにそう言った
「何が成程なんだい?」
夏油がAにそう聞いた
「底知れない腹の中のドス黒さ……
まぁ、どうせ加茂憲倫も、お前の傀儡だったんだろうけど」
「…矢張り君の天与呪縛はある意味恐ろしいね」
夏油がそう言うと
「よくも……!! よくも俺に!!
虎杖を!! 弟を!! 殺させようとしたな!!」
脹相は夏油に向かっていった
ザッ
それを阻むように白髪の術師が現れる
「引っ込め三下
これ以上私を待たせるな」
「どけ!!! 俺はお兄ちゃんだぞ!!!」
悠仁も血の繋がった俺の弟…!!
ならば俺は
全力でお兄ちゃんを遂行する!!
「赤血操術!?」
脹相の術式に加茂は驚きを顕にする
「不思議じゃないでしょ
呪胎九相図は、加茂憲倫によって作られたんだから」
脹相の一撃は、白髪の術師を圧す
そして、脹相は夏油にも攻撃を仕掛ける
「無理するなよ 疲れてるだろ」
「だから何だ
それが弟の前で命を張らない理由になるか?」
「一応聞くけど、他人だよな?」
脹相の言葉にパンダは悠仁にそう聞いた
「他人どころか1回殺されかけてるよ」
「東堂といいヤバイフェロモンでも出てるんじゃないのか?」
「(もしくは、悠仁と呪胎九相図に何らかの関係があるか……真逆ね)」
「だが、おかげで場が乱れた この機に乗じるぞ」
加茂がそう言った
「全員でかかれば隙くらいできるだろ」
「なんとしても獄門疆を奪い取るぞ」
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瑠花 - コメント失礼しますやっと乙骨君と来栖華ちゃんが来ましたね。私は華ちゃんのことが好きなので嬉しいです (2021年10月18日 17時) (レス) @page47 id: 40dcd18497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2021年5月19日 20時