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第百七十八話 ページ39

「え…?」

Aの言葉に九十九は困惑した

「今も、じゃないですよ……多分」

「多分て…」

「兄が封印されても……こんなにも冷静なんですよ
自分でも驚いてます 私がこんなに薄情だったなんて、って…」

Aはそう言って頬杖をついた

「まぁ…その理由も何となく分かるんですがね…」

「?」

「まぁ…そういう訳で、“彼等”が人間を呪わない限り、私も彼等を祓わない事に決めたんです
フェアな関係を築きたいですからね」

話を戻し、Aは言った

「どういう思考回路…?」

「私にとっては、人間も呪霊も同じです
酷く醜悪で、愚かで、身勝手な生き物…
“快楽の為に人を殺す殺人鬼”と“絶対に人間を呪わないと誓った呪霊”……どちらを殺さないかと問われたら、私は迷わず後者を選びます」

「…!」

「人間と呪霊……その線引は私の中にはありません
私にあるのは、“それ”が有害か無害かの線引です
どんな悪人でも無害ならそれでいい
生きている価値があるかないかは別問題
勿論、それは呪霊も同じ」

「ぶっ飛んでるね」

「褒め言葉として受け取っておきますよ」

「そんな思想が上層部にバレたらどうする?
一発で呪詛師落ちだよ」

「ならば一興
余計な(しがらみ)に捉われずに自由に生きるとしますよ」

九十九の言葉にAは笑みを浮かべてそう言った

「君を五条君と同じだと思っていた私が馬鹿だったな」

「そうですね」

「君って実は凄く捻くれてるよね」

ツッコミを入れる気力も失った九十九はそう言った

「……つまり、君の“本命”って……呪霊と人間の共存?」

「流石にそこまでぶっ飛んでないですよ
人間を呪う呪霊の方が遥かに多いのが当然ですから
まぁ…出来たら面白そうですよね
そういう世界を見てみたいとも思います」

「…………」

「私の“本命”はーーーーー」


ーーーーー人間が呪霊に対する理解を改める事です
 
 

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瑠花 - コメント失礼しますやっと乙骨君と来栖華ちゃんが来ましたね。私は華ちゃんのことが好きなので嬉しいです (2021年10月18日 17時) (レス) @page47 id: 40dcd18497 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2021年5月19日 20時

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