第百七十三話【Europe】 ページ34
ガシッ
アメリアとリアムが岩にぶつかる刹那、ライが2人を受け止めた
「!?」
目にした状況に一瞬困惑したノエにセイレーンの尾ひれが迫る
「(しまった…! 避けられない…!!)」
ガシッ
ダッ
攻撃に備えたノエをアーディは咥えて素早く移動し攻撃を避けた
ドサッ
「……何故助けた?」
アーディに乱雑に落とされたノエはそう問うた
『お前…面倒な奴だな 素直に礼も言えんのか』
至極面倒臭そうにアーディは言った
そこへアメリアとリアムを抱えたライが来た
「全く…あと先考えずに飛び込む馬鹿がいますか…」
呆れたようにライはそう言って2人を下ろした
「………」
「………セイレーンは私が相手をします」
『お前が式を使えば…人間共を巻き込むぞ?』
「そこはーーーーー」
「ーーーーーそれなら、私が役に立てるかもしれない」
Aはライの言葉を遮ってそう言った
「……では任せます」
Aは頷いた
ーーーーー呪創結界『曼珠沙華』
海や砂浜一面を赤い彼岸花が埋め尽くす
空は漆黒
ただ黒い空間に赤い彼岸花がよく映えていた
先刻まで暴れまわっていた人々も動きが鈍くぎこちなくなっている
セイレーン自身も何が起こっているか分かっていないようだった
「これは…?」
「急いで あまり長くは保たない」
ライの問い掛けにAはそう返した
Aの表情を見たライは一直線にセイレーンへと向かって行った
「…!!」
ライがセイレーンと距離を詰め、攻撃を仕掛けると思いきや、ライは跳躍してセイレーンの背後に回るとセイレーンの肩に腕を回して拘束した
そのタイミングで呪創結界が解かれる
元の景色へと戻った
「アーディ!!」
『ああ』
アーディの口から紫黒色の炎の塊がセイレーンに向かって放たれる
「アア"ァァァァァァァア!!!」
紫黒色の炎はセイレーンを焼き尽くす
断末魔が途切れると、紫黒色の炎も消え去った
「ーーーーー丁度、終わったようね」
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瑠花 - コメント失礼しますやっと乙骨君と来栖華ちゃんが来ましたね。私は華ちゃんのことが好きなので嬉しいです (2021年10月18日 17時) (レス) @page47 id: 40dcd18497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2021年5月19日 20時