【呪術廻戦】呪術師“最強”の妹〈肆〉 (ページ27)

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第百六十六話【Europe】ページ27

「……ｯ…！」

Aは痛みに顔を歪める

その間にも亜久津はAに近付いてくる

「(呪力で守ってこのダメージ……やっぱり、呪力全開じゃないとこの人の打撃は防げないか…)」

Aが立ち上がろうとすると、亜久津の手が伸びてきた

「(クソッ…)」

Aは呪力で攻撃から身を守ろうとした

ﾎﾟﾝ

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

「…！」

Aは勢いよく顔を上げて、亜久津を見た

亜久津は優しく微笑んでいた

「………亜久津さん…？」

「A、自分を責めるな
俺はお前を縛り付けたかった訳じゃない」

「……………」

「それと、酷い事言ってごめんなあれは全部嘘だ」

「…………」

「…………強くなったな」

「……亜久津さん」

「何だ？」

「ありがとう」

そう言ったAは、何処か吹っ切れた様な顔をしていた

それを見て亜久津はまた、Aの頭を撫でた

「もっと強くなるから
亜久津さんに負けないくらい」

「ﾌｯ頑張れよ」

亜久津がそう言うと、術式が解かれ、本来の肉体の所持者に意識が戻る

「此処は…」

「初めまして」

「！？お前は…！！」

男は目の前にAがいる事に驚きを顕にした

「早速で悪いんだけど……」

「？」

　

　

　
ﾄﾞｶﾞｧﾝ

廃教会内に男が吹き飛ばされてきた

「……は？」

呪詛師の男は吹き飛ばされてきた男を見ると、次に吹き飛んできた方向を見た

「ﾊｧ……スッキリしないな」

そう言ってAが廃教会内に入って来た

「大丈夫？」

リズがAに声を掛けた

「ええ」

「！貴女……」

リズはAが何か吹っ切れているのに気付いたが、それ以上の事は言わなかった

「真逆…こいつが吹き飛んでくるとはな…」

「…カーティスは？」

男には何の反応も示さずに、Aはリズに聞いた

「外よ
あの十字架は銀製、奥のテーブルの上にはにんにく……魔除けの意味ではまだ十分機能してるわ」

「へぇ……そこは普通の吸血鬼なんだ…」

リズの言葉にAがそう言うと

「いや、俺の話を聞け！！」

男がそうツッコんだ

「聞く必要がない」

「はぁ？まだ分かってねぇようだな、失敗作ちゃんよぉ…
どう考えても、ここで有利なのは俺なんだよ！！」

男がそう言うと廃教会内に3つの頭と蛇の尾を持った犬が現れた

「ケルベロス…！？」

リズが驚きの声を上げた