第百六十五話【Europe】 ページ26
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翌日
夜
「つい先刻、知り合いの呪術師から連絡があったわ
例の呪詛師の居場所が判明したってね」
リズがリムジンの中でそう言った
車内には、Aとカーティスが居る
「その居場所に今向かっていると…」
Aはそう言った
「ええ
どうやら、早めに終わりそうね」
「…………」
リズの言葉にAは何も言わない
「………もうすぐ着くわ」
着いたのは森に囲まれた廃教会だった
3人は廃教会の中へと入る
「「「!!」」」
十字架の前に男が居た
「これは……珍しい奴が来たな」
男はAを見てそう言った
「お前、五条Aだろう?」
「あら、貴女って有名人なの?」
男の言葉にリズがAにそう聞いた
「……………」
「ああ そりゃあもう有名よ
術式を持たない…五条家の失敗作ってな」
「……え…?」
「…!」
予想外の言葉にリズとカーティスは目を見開いた
「……………」
Aは何も言わず、『細雪』に手を掛ける
「そうだ、失敗作ちゃん これはプレゼントだ」
そう言った男の背後から別の男が現れた
「!?」
その男をAはよく知っていた
「…………亜久津、さん…」
Aの目の前に現れたのは亜久津和哉だった
「(否、違う……“降霊術”だ)」
だがすぐに、それが偽物であると理解した
亜久津は死んでいる
それを1番知っているのはAだ
「…………」
Aは呪詛師の男を睨んだ
刹那
「!!」
Aの懐に亜久津はいた
ドガッ
「クッ…!!」
亜久津の拳でAは廃教会の外まで吹き飛ばされた
「…!!」
亜久津の拳をAは腕で何とかガードをした
「ウッ…(腕が…)」
ガードした腕に走る強烈な痛み
あと一瞬でも気付くのが遅かったら、ガードは間に合わず、亜久津の拳は確実にAの急所に入っていただろう
廃教会の外で腕を抑えたAは正面を見た
虚ろな目の亜久津がそこには居た
「……………」
次々と繰り出される亜久津の攻撃をAは腕を抑えながら避ける
「(分かっていた……
Aは攻撃を避けながら隙を探す
見れば見るほど、見た目は亜久津そのものだった
Aの脳裏に亜久津と過ごした時間が過ぎる
それに、Aは一瞬意識を奪われた
その1秒にも満たない時間
ドガッ
「カハッ…!!」
Aは亜久津に蹴り飛ばされて木に激突した
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瑠花 - コメント失礼しますやっと乙骨君と来栖華ちゃんが来ましたね。私は華ちゃんのことが好きなので嬉しいです (2021年10月18日 17時) (レス) @page47 id: 40dcd18497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2021年5月19日 20時