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第百六十一話【Europe】 ページ22

カーティスが着地したのは、ベルリンの街角にあるレトロなバーだった

「(バー?)」

Aは店の看板を見た


Grenze(グレンツェ)


「(…“境界”…?)」

そして、カーティスを見る

「これは返す」

カーティスはそう言ってAに『細雪』を渡した

Aが『細雪』を受け取ると

「行くぞ」

カーティスはバーの扉を開け、中に入った

Aも半信半疑だが、カーティスに続いて店内に入る

カラン…



中はとてもシックな作りだった

カウンター席とソファ席

扉のすぐ横には真っ黒な一匹の犬がうつ伏せになっていた

カウンターには長い黒髪を後ろで三編みをした容姿端麗の男

ソファ席にはちらほら客がいた

店に入るなり、Aは目を見張った

何故なら、カウンターの男と犬以外は人間だからだ

しかも、非術師

Aが困惑している中、カーティスはカウンター席に座った

「…………」

Aもカーティスの隣に腰掛ける

「連れとは珍しいですね」

カウンターの男がカーティスにそう言った

「リズの客人でな
目で見たものしか信じないって言うから連れて来た」

「リズの…」

男はAを月のような銀色の瞳に映した

「初めまして、日本の呪術師さん
私はライノア “ライ”で結構ですよ」

「………五条A」

「五条さん…ですね」

「…Aでいい 名字はそんなに好きじゃない」

「…分かりました
では、Aさんと呼ばせていただきます」

ライはそう言うと、Aの前にグラスを置いた

「これは…?」

「アプフェルショーレ お酒じゃないですよ」

Aはそれを一口飲んだ

「…! 美味しい…」

「何の抵抗もなく飲むんだな」

カーティスがAにそう言った

「…!」

「なんだ、無意識か」

「……………」

カラン…

そこへ別の客が来た

「君が連れとは珍しい…明日は槍でも降るのかな」

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瑠花 - コメント失礼しますやっと乙骨君と来栖華ちゃんが来ましたね。私は華ちゃんのことが好きなので嬉しいです (2021年10月18日 17時) (レス) @page47 id: 40dcd18497 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2021年5月19日 20時

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