【呪術廻戦】呪術師“最強”の妹〈肆〉 (ページ21)

今日:27 hit、昨日:1 hit、合計:57,855 hit

第百六十話　【Europe】ページ21

玄関を出たAは、辺りを見渡した

広大な敷地に広がるリズの屋敷

そのだだっ広い敷地の約半分を埋め尽くすのは“花”だ

屋敷を一周ぐるりと囲う花壇と噴水、温室は一際目立つ

此処は植物園かとツッコみたくなる様な程多種多様は花々が月光を浴びて咲き誇っている

Aはただ何となく噴水の縁に腰掛けた

「……………」

『あの吸血鬼を信用するのか？』

鬼一法眼の声が響く

「(どちらが良いと？)」

『さあな俺は会ったことが無い』

「……………」

Aは目を閉じて考え込んだ

「ｰｰｰｰｰ考え事か？」

「！！」

Aが目を開けて声の主を見る

そこにはカーティスがいた

「日本人というのは、物事を深刻に考える癖でもあるのか？」

カーティスはそう言うと、Aの横に腰掛けた

「……………」

「そう警戒するな殺しはしない」

「………貴方が味方である保証はない」

「リズの言葉だけでは足りんか？」

「…目で見たものしか基本は信じないから」

「ほぉ…用心な事だ」

「…………」

「ならば、少し付き合え」

カーティスはそう言うと、Aを肩に担いだ

「は？」

「落ちるなよ」

刹那

ﾌﾜｯ

浮遊感

Aの視界に映る景色が一変した

上空から見えるドイツの夜景

上空……

「え…？飛んで…は？」

「ククッ飛ぶのは初めてか？」

Aの反応にカーティスは愉快そうに笑みを零す

「まぁ…飛ぶのは初めて」

「そうか」

「……………」

Aは眼下に広がるドイツの夜景を見た

上空から見る夜景は、地上から見るものとはまた違った魅力があった

「降りるぞ」

カーティスはそう言うと、かなりのスピードで下降した

「ちょっｰｰｰｰｰ！！」