第百五十八話【Europe】 ページ19
「でも…ヨーロッパにもその手のものに詳しい人は居るんじゃ…」
「結界が乱れているのは日本の呪詛師のせい…
と言う事は、ヨーロッパの術師ではその呪詛師に負けてしまう
だから態々、そいつに対抗できるような呪術師を日本に要請したのよ」
Aの言葉にリズはワインを飲んでそう言った
「……………その呪詛師は今何処に?」
「場所の特定は出来てないわ」
「…………」
「そんなに焦らないの
既にヨーロッパ全域で呪術師達が動いているし、見付かるのも時間の問題よ」
リズがそう言うとリムジンが停まった
そして扉が開く
「着いたわね
貴女がヨーロッパに滞在する間は、私の屋敷で衣食住を保証するわ」
リムジンを降りた先に広がっていたのは広い噴水に薔薇が映える庭園、古い様式で建てられた巨大な豪邸だった
「さあさあ、入って」
リズは豪勢な玄関の扉を開けてAに入るよう促す
「お、お邪魔します…」
中に入ると目を引くのは、天井から吊り下げられた巨大なシャンデリア
ホコリ一つない大理石の床
赤絨毯が敷かれた玄関正面の大階段
「ようこそ、我が家へ」
「………凄い…!」
Aも御三家が1つ、五条家の生まれ
日本家屋の豪邸は知っているが、それとは比べ物にならない
敷地の広さ、建物の荘厳さ、美しさ
その全てにAは目を奪われた
「お気に召したかしら?」
「………貴女は、一体何者…?」
「私? 私はーーーーー」
「ーーーーーちょっと、
夕飯冷めるから、早く入ってくんない?」
玄関横の扉が開き、Aと同じ歳くらいの少女がリズに向かってそう言った
「あら…! ごめんなさいねレイチェル すぐ行くわ」
「……………
Aは驚いた表情をしてリズを見た
「え? ああ…紹介するわね 孫のレイチェルよ」
「孫って……嘘…」
「ホントよ 今年で66だもの」
「え…? (
Aが困惑していると、レイチェルがAの手を引いた
「!」
「こっち 夕飯、用意してるから」
レイチェルはAの手を引いて、部屋へと引っ張っていく
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瑠花 - コメント失礼しますやっと乙骨君と来栖華ちゃんが来ましたね。私は華ちゃんのことが好きなので嬉しいです (2021年10月18日 17時) (レス) @page47 id: 40dcd18497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2021年5月19日 20時