第百五十一話 ページ12
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呪力からの“脱却”
呪力の“最適化”
2人が描く真逆の人類のネクストステージ
「“
海外では呪術師や呪霊が極端に少ない
最適化プランには天元の結界が必要不可欠な筈だ
天元を利用するという事は、呪力が最適化され術師となるのはこの国の人間限定
呪力というエネルギーをほぼ、日本が独占することになる」
夏油のプランに対し、九十九がそう言った
「…そうなれば、各国の呪術師が黙ってない…」
「そう 生身の人間がエネルギー源なんだ
どんな不幸が生まれるかは想像に容易いだろう
それは私が描く理想とはかけ離れた世界だ」
Aの呟きに頷き、九十九は言った
「ハッハッ それが何だ
そもそも目的が違うんだ 私は呪霊のいない世界も牧歌的な平和も望んじゃいない」
非術師、術師、呪霊
これらは全て、人間という呪力の形の可能性だと夏油は言う
「だが、まだまだ
こんなものではない筈だ 人間の可能性は
それを自ら生み出そうともした
だが、それでは駄目なんだ 私から生まれるものは私の可能性の域を出ない
答えはいつだって、混沌の中で黒く輝いて見えるものだ」
夏油はそう言うと手に呪力を込めた
「既に、術式の抽出は済ませてある」
「! A!」
夏油の言葉に九十九はAを見る
「…………」
Aは目を僅かに細くして夏油を見据えると、右眼を覆う前髪に触れた
「この状況を作り出すために、あの蜘蛛女に、私を殺せない場合の指示を出していたのか……」
「君がそういうのに強いとは思ってたけど、予想以上だったよ
まぁ、間に合って良かったと素直に喜ぼうかーーーーー」
Aの言葉に夏油は不敵な笑みを浮かべた
Aはその笑みを一瞥すると前髪をかき上げた
ーーーーー邪魔な眼を潰せたことをね
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瑠花 - コメント失礼しますやっと乙骨君と来栖華ちゃんが来ましたね。私は華ちゃんのことが好きなので嬉しいです (2021年10月18日 17時) (レス) @page47 id: 40dcd18497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2021年5月19日 20時