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第八十三話 ページ39

「どういう…?」

男は目の前の現象を理解出来ていない

「私を殺そうって奴に教えると思う?」

Aは笑みを浮かべてそう言った

「(……呪力で身体を守っているにしては、体外に放出されている呪力量が少ない……それは、私の呪力感知の前では明白な事実
考えられる可能性は、彼女が何らかの術式を持っているということ……)」

男は思考を巡らせる

「(飛び道具さえ奪ってしまえば余裕で勝てるけど………)」

Aは男の背にある大きなケースを見た

「(あのデカいケース……何なんだ…?) 攻撃…止めたの?」

「貴女が私の攻撃を防いでいる術が分からない以上、余計な手数を踏むのは馬鹿馬鹿しいので」

Aの言葉に男はそう言った

「確かに……でも、私も防いでいるだけはつまらないし……ヒントをあげようか」

「ヒント…?」

「うん 私に術式は無い これは明確な事実だ」

Aは男にそう言った

「…!
(確かに…事前情報でもそうだった それが本当なら、この現象は一体…)」

男は再び考えを巡らせた

「もうちょっとさぁ……気軽に考えなよ」

「!!」

Aの言葉に男が反応すると、Aは男の懐に居た

ピト

Aの手が男の腹の辺りに触れる

「?」

ドゴッ

刹那、男の身体が一直線に吹き飛んだ

「………あ、飛ばしすぎた」

男が吹き飛んで行った方向を見てAはそう言うと、その方向へと走って行った

「………生きてるかな…?」




 




 




 
ドガアァン

「!!?」

「「……は?」」

帳の基を守っていた呪詛師の一人ーーーーー粟坂二良ーーーーーと戦っていた悠仁と伏黒

しかし、突然物凄い速さで飛んできた“何か”が粟坂に激突したのだ

「何だ!?」

「人じゃね!?」

困惑する二人の視線の先には、粟坂の上に仰向けになっている、恐らく今飛んできたであろう黒服の男がいる

「神楽坂…!? オマエ…何故吹っ飛んできて…!!」

粟坂は自身に激突してきた男(神楽坂)にそう言った

「クッ……とんでもないのを相手にしたようです…」

神楽坂はそう言うと、立ち上がった

「なんで生きてんの!?」

「…!
(吹っ飛んできた理由は分からないが……立ち姿だけで分かる…コイツは強い…!)」

ツッコむ悠仁の横で伏黒は冷静に状況を整理する

「とんでもないものって?」

粟坂が神楽坂に聞いた

「ーーーーー」

神楽坂が口を開こうとすると

「ーーーーー元気そうで良かった 死んでたらどうしようかと思ったよ」

Aが神楽坂が吹っ飛んできた方向から現れてそう言った

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2020年12月28日 16時

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