第七十九話 ページ35
「フフッ 最高じゃん、悠仁」
Aは走りながらそう言った
「(これで七海さん達に全て伝わる……私も合流したいところだけど………)」
バシュッ
Aのすぐ後ろを何かが物凄い速さで通った
それは建物の壁を穿った
「(コイツを……始末してからだな)」
Aは目の前で倒れている補助監督を走りながら抱え上げると、すぐ近くの建物の中へと入った
「夏油さんが?」
悠仁と合流した七海達は、メカ丸の傀儡から事情を聞いた
『正確に言うと夏油傑の裡にいる何者かダ
今、渋谷駅構内は正に伏魔殿 特級とソイツらが連れてきた呪霊 夏油の息が掛かった呪詛師 そして改造人間と一般人』
「確かにそれなら地下鉄の隣駅から攻めた方が速い だが、その為にはまず“帳”を解かなければ」
七海はメカ丸の言葉にそう言った
「A先輩がいれば、解くのは簡単そうですが…」
『いるゾ』
「「「え?」」」
『五条Aは渋谷にイル』
「それは本当ですか!?」
七海はメカ丸にそう聞いた
『ああ いづれ合流出来るだろう
それと、彼女から伝言だ 4枚の“帳”は全て嘱託式だと』
「嘱託式の…」
『それと、気付いているか? “帳”の効力が少し弱ってることに』
「!?」
『恐らく、五条Aが何かした
兎に角、緊急事態だ マルチタスクで頼む』
メカ丸はそう言った
「
3人はその間に“術師を入れない帳”を解いてほしい」
七海は3人にそう言った
「猪野君 日下部さんや禪院特別1級術師もこの“帳”内に居る筈です
この2人…もしくはAさんと合流できた場合、協力を仰いでください」
「了解!!」
「それから、2人を頼みます」
「…はい!!」
七海はそう言うと、猪野達と別行動を始めた
21:34
ポウッ
Aは建物の椅子に抱えていた補助監督を横たわらせ、治療した
「………追ってこない…」
Aは治療を終えると、建物を出て、道路の真ん中に立った
その眼は、歩道橋を捉えている
そこには大きなケースを背負った一人の男が居た
「治療は終わりましたか?」
男はAにそう聞いた
「………おかげさまでね」
Aはそう返すと、前髪をかき上げる
「そうですか……では…」
男は歩道橋から道路に飛び降りた
ジャキッ
「始めましょうか」
そして、懐から拳銃を取り出した
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2020年12月28日 16時