【呪術廻戦】呪術師“最強”の妹〈弐〉 (ページ28)

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第七十ニ話ページ28

「被害を最小限に抑える為に、兄さん一人に渋谷を平定させる……相変わらずブラックだなぁ…」

Aは、ビルとビルの間の所謂路地で携帯電話を片手にそう言った

「15万か……」

携帯電話の画面にはあるSNSが表示されている

「(渋谷のハロウィンの参加人数は約100万人…“帳”が下りる前までに約85万に減らした…)」

《渋谷のライブハウス全店休業ってマジ？》

《池袋とか他のところで演るらしいよ》

《電車止まってんだけど！》

《なんかヤバいらしいから今年は行かねぇわ》

《爆弾騒ぎとかあったらしいよ！！》

「ﾊｧ………凄いな、SNSって…」

Aは感心した様に画面を見ながらそう言った

「(よく分からず3つくらいアカウント作って適当にやってみたけど……勝手に話が大きくなるからこういう時便利だな……)」

今年の渋谷のハロウィン

夏油達の目論みを知っているAは、夏油達にバレぬよう暗躍をしていた

『渋谷のライブハウス全店休業』

『相次ぐ列車の故障等による電車の遅延及び運行停止』

『渋谷駅周辺における爆弾騒ぎ』

そのすべてを仕組んだのはAであり、SNSを使い情報をバラ撒いたのもAだ

勿論、爆弾は偽物だ

「(適当に情報を流せば、後は勝手に話が大きくなる……流石に、あの偽物もSNS(これ)は把握してないだろ……してたらウケるけど)」

Aは携帯電話を仕舞うと、渋谷駅の時計を見た

20:19

「……………寒…」

「じゃあ、温めてあげる」

ｷﾞﾕｯ

「！？」

Aの耳に約一ヶ月聞いていない声が聞こえ、後から抱きしめられた

「僕に黙っていなくなるとか…酷いよ」

「………ごめんなさい…」

Aは後ろにいる人物ｰｰｰｰｰ五条ｰｰｰｰｰにそう言った

「僕と離れてた間寂しかった？僕は寂しかったよ」

「うん… 珈琲に角砂糖10個入れるくらいには寂しかったよ」

「そっか…」

「………怒らないの？」

「怒ってほしいの？」

「………まあ、怒られるの前提だったし…」

Aは五条に言った

「スズは、その選択が一番良いと思ったんでしょ？なら、僕が怒る理由ある？」

「…！」

「まあ…スズが呪詛師になってたら怒鳴ってかもね」

「それよりだったら死ぬ」

「ﾊﾊｯんで、スズは何企んでるの？」

五条はAの肩に顎をおいてそう聞いた