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第四十七話【過去編】 ページ3

「ハァ…」

屋上にある貯水タンクの上でAは溜息を吐いた

そして、仰向けに寝転がった

風が白髪を揺らす

「…………」









【Aside】

私には、幼児期健忘が無い

だから生まれてからの記憶が断片的にある

私が生まれた時、五条家(ウチ)の人間が私に持った期待が砕かれるのは一瞬だった

兄さんの六眼は、私に術式が無いことを当然見抜いた

それからは掌を返した様に態度が急変した

「(正直、あの変わりようはちょっとウケたな……)」

結局、術式の相伝が無ければ落ちこぼれ扱い……そう言えば、禪院家に同じようなのが居るとか言ってたな

「あー……苛つく」









「コラー! そこで何してるんだ!」

Aが仰向けになっているとツナギ姿の男ーーーーー校務員ーーーーーが貯水タンクの下からそう声を掛けた

「武田さんか…」

Aはそう呟くと、起き上がり、貯水タンクの上から飛び降りた

「ちょっ!!?」

スタンッ

そして、綺麗に着地をする

「A君!! 全く君は…危ないだろう!!」

「大丈夫ですよ」

「と言うか、貯水タンクの上には登ってはいけないと何度も…!!」

「はいはい」

Aは武田にそう言うと屋上から校舎内へと続く階段へ向かった

「……………何かあったのかい?」

「…………なんで?」

Aは武田の言葉に立ち止まり、そう聞いた

「君の素行は良いとは言えないが、授業をサボる事は無いだろう?」

「……どうですかね 武田さんが思ってるほど、私はいい子じゃないですよ」

そして、Aはそう言うと、校舎の中へと入って行った

それと同時に、授業の終了を告げるチャイムが鳴った





昼休み

Aは自動販売機に向かった

すると、その近くに喧嘩のあとが見えた

倒れている生徒を冷たく見下ろしている男子生徒が一人

「恵またやったの? 津美紀に怒られるよ」

Aはその男子生徒ーーーーー伏黒恵ーーーーーにそう言った

「別に…」

「1年なのに……不良め」

「…アンタにだけは言われたくない」

伏黒はAにそう言った

「言う様になったじゃん」

Aがそう言うと

「コラー! 何してるんだ!!」

武田が喧嘩のことを聞いて叫びながら来た

「……逃げる?」

「なんでアンタも逃げようとしてんの?」

「………気にすんな」

Aは伏黒にそう言うと、走り出した

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2020年12月28日 16時

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