第六十四話 ページ20
「貴女のそれは制服ですよね?」
ジャケットを見た七海はAにそう言った
ジャケットと言う名のロングコート
「私は何もしてないですよ」
「五条さんの趣味ですか?」
「……本人に聞いてください」
Aが七海にそう言うと、七海は自身のジャケットをAの肩にかけた
「…濡れますよ、ジャケット」
「言ったでしょう 風邪を引かれては困ると
五条さんに絡まれるのもですが、貴女の分の仕事が回って来るのも御免です」
「………最後のが無ければ惚れてましたね」
「正直後が怖いのでやめてください」
Aの言葉に七海はそう返した
「……理由、はなんとなく分かりますが、一応聞いても?」
七海はAにそう言った
「…人殺しって言われて頭から花瓶の水をかけられました ついでに花も」
「そんな…」
伊地知はそう呟いた
「呪術師をやっていればこういう事はあります」
「何回目でしょうね〜これ」
Aはそう言うと、伊地知からタオルを受け取った
「では、その唇の血は?」
「ついでに殴られました」
「今回はかなり…」
「水をかけられたのは初めてですね……でも、その時呑気に掃除が大変だなとか思った私は人として最低だと思います」
「「…え?」」
Aの言葉に二人は聞き返した
「ーーーーー親子って何なんでしょうね」
Aは二人にそう言った
「理想的な親子というのは、親が子を愛し、子は親を愛するんでしょう…
だからこそ、親は自分より先に子を失うことを何よりも恐れる………到底、私には理解できない事ですね」
Aはハッキリと言う
「私の親はきっと、私が死んでも何の感情も抱かないでしょう
まぁ、私もあの人たちが死んだところでどうでもいいですが…」
「Aさん…」
「まあでも……親が子に注ぐ愛情…みたいなものは知ってます
それでも、少し……本当に少しだけ、羨ましいと思ってしまった…」
Aの言葉に二人は掛ける言葉を失っていた
「…………って、これ、兄さんには言わないでくださいよ」
Aは何時もの調子で二人に言った
「………それより、早く高専に行きましょう 本当に風邪を引きますよ」
ーーーーー
「…………悠仁達が来た…本当に、強くなっちゃって」
Aは笑みを浮かべてそう言った
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2020年12月28日 16時