【呪術廻戦】呪術師“最強”の妹〈弐〉 (ページ14)

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第五十八話【過去編】ページ14

「どこまでも……お前等兄妹はｰｰｰｰｰ」

亜久津はそう言うと、首元にある『細雪』を素手で掴んだ

「………」

ｰｰｰｰｰ才能をひけらかす…！！

Aは『細雪』から手を離した

それと同時に亜久津がAから『細雪』を奪い取る

それを第三者が見ていたら、亜久津がAから『細雪』を力尽くで奪い取ったと錯覚するぐらいにそれは自然な動作だった

亜久津もまた、そう錯覚していた

「………」

「失敗作のままでいればいいものを…」

亜久津は『細雪』を構えてそう言った

「(………………『細雪』の間合いは広い…恐らく、アイツは剣術の腕もある…)」

Aはジャケットを脱ぎ捨てた

「(呪力による身体能力の強化で一気に……)」

二人は同時に動き出した

ｽｯｽｯｽｯ

亜久津の攻撃をAは避ける

「(感じてるのか……『細雪(コイツ)』の呪力を)」

亜久津はAの動きを見てそう思った

Aは地面に両手を着くと、体を反転させ亜久津に踵から蹴りを放った

しかし、それを亜久津は容易く受け止める

「体術はまぁまぁだな」

「そう？」

ｻﾞｼｭｯ

Aがそう言って体勢を元に戻す

その勢いで、Aの蹴りを受け止めた亜久津の腕に斬り傷がつく

「靴に呪具を……！！」

Aの靴の踵部分には、何時の間にか刃が付いていた

「(……周りに居た呪霊の気配が無くなった…東堂か)」

ｺﾂｯ

Aは踵の刃を仕舞った

「餓鬼が舐めた真似しやがって……術式の無い餓鬼に負けてたまるかよ…
お前らなんか……最初から……！！！」

ｰｰｰｰｰ呪創結界『空花乱墜(くうげんらんつい)』

「……！！」

四方八方を美しい桜が囲んでいる

「……？」

亜久津は周囲を見渡した

「あいつは…？」

亜久津の視界の何処にも、Aの姿は無かった

「桜か……(そう言や、一回3人で花見したっけか…)」

そう呟いた亜久津の手から『細雪』は消えていた

ﾎﾟﾀｯﾎﾟﾀｯﾎﾟﾀｯ

「………」

血が滴り落ちる

Aは『細雪』で亜久津を背中から突き刺していた