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第五十七話【過去編】 ページ13

「つまり…お前は何が言いたい?」

亜久津はAにそう聞いた

ズバンッ

「いい加減嘘付くのはやめろよ亜久津」

Aは式神の両腕を斬り落とし、亜久津に向かってそう言った

「は?」

「分かってる…否、分かってた
アンタ…私の事殺したいくらい嫌いでしょ?」

そして、再び亜久津を見据えた

「フッ……アッハハハハッ」

Aの言葉に亜久津は大声で笑う

「そうかそうか……気付いてたか」

「………」

笑う亜久津と無表情のA

「何で気付いた?」

「……どんなに表面上は上手く取り繕っても、腹の中に在るどす黒い負の感情は隠せない……呪力にありありと出てるんだよ」

Aは亜久津に表情一つ変えずにそう言った

「夏油には隠せてたのになぁ……お前の呪力感知を甘く見てたよ
確かにそうだ 大嫌いだよ お前も、悟もな」

「…………アンタが京都に居て良かったよ」

Aはそう言うと、刀を鞘に納めた

「…?」

「そのセリフ……兄さんにだけは聞かせたくなかったからね」



ーーーーー呪創結界『曼珠沙華』



「!?」

辺りを埋め尽くす艶やかな赤い彼岸花

「まずは、その邪魔な式神を片付ける」

Aはそう言うと、刀を抜いた

漆黒の刀身と鮮紅の彼岸花がよく映える

「(領域展開…!? 真逆…Aには術式が無い あったとしてもこれではない筈…どういう事だ…?)」

困惑を隠し、亜久津は式神を操った

「……? (呪符が機能していない…? 否、違う…!)」

ーーーーー呪力が弱まったのか…!!

亜久津がそれに気付いた頃には既に

ズババンッ

式神は呪符ごと斬られ、消えた

そして、辺りを埋め尽くしていた彼岸花も消えた

「…………何だ? 今のは」

亜久津はAに聞いた

その首元には『細雪』の切先がある

「………結界だよ」

「結界?」

「得意なの、結界術」

Aは亜久津にそう返した

「得意で説明がつくようなものじゃないな さっきのは」

「私の術式」

「生得術式…ではないな」

「それは一番、アンタが分かってる筈…」

Aと亜久津はお互い一歩も動かずに言葉を交わす

「結界術は0から術式を構築する それを利用した」

「結界術…」

「“呪創結界” 私が創り出した、私だけの術式」

「…!!」

Aの言葉に亜久津は目を見開いた

「自分で…術式を…」

「常に0から構築する事で確立する術式
この10年で、私が強く、存在を示す為に身に着けた私の戦い方」

Aはそう言った

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2020年12月28日 16時

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