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「公安があの人を?」

「はい」

「何故?」

「……それは言えません」

「…………」

風見の返答に十七夜月(かのう)は目を細めた

「………君は優秀だから、聞くだけ無駄か…」

十七夜月(かのう)はそう呟いた

「あの…十七夜月(かのう)さん
貴方は、小鳥遊Aと一体どういう…?」

「さあ?」

「……ジャック・アベラールというフランス人が殺害された事件を担当していらっしゃいましたよね」

「ええ」

「彼の遺体をフランス大使館経由でフランスへ送る直前、公安で調べました
その結果、彼は我々が追う組織の捜査を行っていた捜査官
私の上司の見立てでは、彼はフランスの対外治安総局…『DGSE』の捜査官」

「捜査官? あの方が?」

十七夜月(かのう)さん 本当は分かっているんでしょう?
彼の手には、独特の痕があった 拳銃を使用する際に出来るタコです
私で気付いたんです 貴方が気付かない筈がない」

「……彼が捜査官であるという証拠は、どこにもありませんよね?」

「DGSEのID、及び拳銃等の武器は遺体からも、彼の家からも見付かりませんでした
ですが、彼が住んでいたマンション周辺に設置された防犯カメラに小鳥遊Aが映っていました
それから、遺体が見つかった海浜公園…彼処に設置された防犯カメラがある時間帯だけ意図的に削除されていました
削除されていた時間は約7分間 その7分間で、遺体からIDや拳銃を持ち去ったと考えています」

「……持ち去ったのが、彼女だと?」

「彼が所持していた携帯電話を調べた所、本体の傷が異様なほど真新しかった 指紋もありませんでした
正直、あの犯人がそこまで頭の回ることが出来るとは思えません」

「……なるほど
しかし、風見君 捜査一課の警部にこんなこと、話していいんですか? 聞けば、今の君の上司は相当厳しいらしいですが」

「その上司が、提案したんです
元“ゼロ”の十七夜月(かのう)雪夜警部」

「ほぉ…
剣持課長の醜穢を暴くのにしては、人員が多いとは思っていましたが…そういうことか
乗客リストを見て、急遽人員を足したわけだ
君の上司も袖に取り付けた盗聴器でこの会話を何処かで聞いている」

十七夜月(かのう)の言葉に風見は一瞬目を見開いた

「……そうですねぇ
小鳥遊A…彼女はーーーーー犯罪者プロファイラーです
それこそ、ロンドン警視庁が手放したくないほど優秀な、ね」

十七夜月(かのう)はそう言うと、呆然とする風見を置いて通路へと出ていった

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朱鷺の砂(プロフ) - ベルモットさん» コメントありがとうございます。政治分野は専門ではありませんが、勉強をしています。コナンはリアルな部分が多い作品なので、そこに沿いつつフィクションを入れています。 (5月23日 14時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。政治的な知識が豊富な夢小説で興味深いです。もしかして政治のお勉強をされているのですか。 (5月23日 11時) (レス) @page23 id: f174f30836 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2022年4月29日 22時

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