#63 【過去編】 ページ17
「十六夜上等！！」
孤児院の外に出ると、伊織の部下らしき男が伊織に駆け寄った
「周辺にいた喰種の駆逐、完了しました」
「おう じゃあ、本部に戻るか」
伊織は部下にそう言った
「はい、分かりました……その子供は？」
部下が少女を見て伊織に聞いた
「捕食されそうだったのを助けた」
「はあ…」
「怪我がないか見てやってくれ」
伊織はそう言うと少女を部下に預け、他の所へ行こうとした
「あ、そうだ…」
途中で立ち止まり、振り返った
「お前、名前は？」
そして、少女にそう聞いた
「………A」
少女はそう答えた
「Aか…良い名前だな」
伊織はそう言って微笑むと、次は立ち止まらずに歩いて行った
ー翌日ー
「よお、A」
待たされた部屋に入ってきたのは伊織だった
「調子はどうだ？」
伊織はAの正面に椅子を置いて座った
「……普通」
「そうか」
テーブルを挟んで向かい合って座っている
「まずだなぁ お前にはいくつか聞きたいことがある
答えられる範囲でいいから答えてくれるか？」
ｺｸﾝ
伊織の言葉にAは頷いた
「昨日のあの化物……喰種って言う奴等なんだが…あいつがあの孤児院の職員だった
ってのは本当か？」
ｺｸﾘ
「お前は彼奴が喰種とは勿論知らなかった」
……ｺｸﾘ
「……何か知ってたのか？」
伊織は優しい声色でそう聞いた
「…………普通じゃないとは思った…」
「どうして？」
「偶に玄関とかですれ違うと……血の匂いがする時があった…」
「そうか…教えてくれてありがとうな」
伊織はそう言って微笑むとAの頭を撫でた
ﾂｰ
「…！」
「あ…」
Aの頬を涙が伝った
「……………」
伊織は椅子から立ち上がると、
ｷﾞｭｯ
Aを抱き締めた
「辛いよな……一人で…」
「………！」
Aの目から涙が溢れ出た
そして、声を押し殺して泣いた
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ゆない(プロフ) - 更新待ってます！有馬さんの生存イフも見たいです！ (2023年2月7日 0時) (
レス) @page42 id: 2603f7f86d (このIDを非表示/違反報告)
キョンシー(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2022年7月24日 20時) (レス) @page42 id: 84d2022181 (このIDを非表示/違反報告)
神代優花 - 面白い〜更新がんばれ(ファイト〜いっぱっつ！) (2021年10月3日 8時) (レス) @page37 id: 5b5a130973 (このIDを非表示/違反報告)
fine - 凄く面白かったです！更新待ってます (2021年3月30日 13時) (レス) id: f39a1029ce (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年1月30日 11時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱鷺の砂 | 作成日時：2020年9月5日 14時
