第二百八十九話 ページ6
「…………」
楽巖寺は確かにそうかと思わざるを得なかった
五条瑞貴の術式は、“思考”と“記憶”を読み取る
彼が呪詛師的な思想を持っていなければ、企みを事前に阻止するなど容易いだろう
それだけの実力を彼は秘めている
「全く…お前達の思考は術式を使わずとも手に取るように分かる」
瑞貴は溜息混じりにそう溢した
五条悟とは違う、重厚とした態度の奥に隠れる研ぎ澄まされた強さ
五条家は五条悟のワンマンチームなどと誰が言い出したのか
五条悟が封印されても、五条家が失墜しないのは単にこの男の存在が大きい
滅茶苦茶な融通は利かせられないまでも、ある程度筋の通った融通ならば、総監部に利かせられるだけの影響力はある
彼の術式は総監部にとって脅威なのだ
消そうとしても消すことができない
それ故か、“道真公の生まれ変わり”とさえ言われているらしい
「ｰｰｰｰｰあの通達について異を唱えたいのは事実だ」
「…！」
「しかし、“内輪揉め”は全てが終わってからにしよう」
瑞貴はそう言うと立ち上がり、庭に出た
そして、楽巖寺の肩に手を置いた
「！！」
「……ほぉ 『村雨』か」
興味深そうに瑞貴はそう言った
楽巖寺の肩に触れ、楽巖寺の記憶の一端を見たのだ
「ﾌﾌｯ 御苦労な事だな」
上品な笑みを溢し、瑞貴は楽巖寺の肩から手を離した
「総監部に伝えろ
加茂家が提議する“禪院家の御三家除名”は保留にしろと
それから、加茂家が回収した“私の刀”を返すよう総監部から言うようにとも」
「後者の意図は？」
「私が加茂家に乗り込むより、余程平和的だろう？」
「……………」
「嫌ならいい その時はその時だ」
「………よかろう」
楽巖寺の返答を聞いた瑞貴は、楽巖寺に背を向けて邸の中に戻っていった
楽巖寺と部下の術師が帰ってすぐ
「珍しく本気だしたな」
東坊城がそう言って部屋に戻ってきた
「本気ではないが…」
「流石、“道真公の生まれ変わり”」
「それはやめろ」
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A(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませてもらってます！ 落ちは決まってますか？狗巻棘落ちだと嬉しいです。 (11月18日 16時) (
レス) @page25 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 秋美さん» ありがとうございます、返信遅くなりました。渋谷事変始まりましたね！推しが…！！大変だ…！！ (これから更新ペースが少し上がるかもです。良かったら楽しんでください！) (9月25日 14時) (レス) id: 8cdf08c5b6 (このIDを非表示/違反報告)
秋美(プロフ) - もうすぐ渋谷事変が始まりますね、、、！それに乗じてこの作品を見返しにきました！！！更新いつまでも楽しみに待ってます！！！！番外編の方も作者様のペースで更新待ってます！！！！！ (8月25日 17時) (レス) id: 651af2d60e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱鷺の砂 | 作成日時：2022年2月28日 6時
