【呪術廻戦】呪術師“最強”の妹〈漆〉

第三百八話 ページ25

ｰｰｰｰｰ

愛知コロニー

馬酔木は、ガードパイプに腰掛けて、煙草の煙を吐き出した

「(家入先輩との禁煙同盟、破っちまった
まぁ、どうせあの人も吸ってんだろうけど…)」

2日と経たずに、コロニー内を掌握した

故に、辺りは静かだ

「(五条先輩が封印されたと聞いた時は驚いたが、敵の見た目が夏油先輩なら無理もない…
Aから聞いた獄門彊の詳細からして、それが1番手っ取り早いと敵も思ったんだろう)」

馬酔木は冷静に情報を分析し、整理する

「(俺の持ち点は102……ルール追加はするべきか？
結界間の移動を可能にする…？ そうすれば、一旦Aと合流して詳細を聞けるし、他の術師と連携も取れる)」

これだなと馬酔木が煙草の火を消す

「？」

同時に感じる多数の気配

「何だ？」

馬酔木は近くの空間の一部を気配がする方の空間と入れ替えて繋ぎ合わせる

「……軍人？」

そこから見えたのは、外国の軍人達が呪術師を捕えて、トラックに放り込む様子だった

「(何やってんだ…？ 此奴等…)」

状況が飲み込めない

「(政府が要請した保護…？ にしては手荒だな
ってなると、別の目的……呪術師を捕らえる事に何かメリットが……？ 本人達に聞くのが早いか)」





軍人達がトラックに捕らえた呪術師を放り込む

「エスパーだか何だか分からんが、この程度か」

「中将殿は何をビビっているんだか」

軍人達は呪術師はちょろいと軽口を叩いていた

「ｰｰｰｰｰその中将って奴は、幾分か利口かもな」

そこに響く声

仲間のものではない

瞬時に判断した軍人達は、声の方を向く

トラックの上に男が座っていた

馬酔木だ

「外国の軍人さんが、態々地獄と化した日本に……観光目的なら帰ることをオススメするが？」

「ジュジュツシか？」

「そうかもな」

軍人の問いに馬酔木がそう返すと、軍人の1人がグレネードを投げた

ﾋｭﾝ

しかしそれは、宙を舞う最中に軍人達の視界から消え去った

「「「！？」」」

驚いている軍人達の背後でグレネードは軍人達の足元に落ちた

辺りに煙と光に包まれる

軍人達は困惑し怯んだ

「…！！」

その隙に軍人達を気絶させようとした馬酔木は、動きを止めた

「おいおい…なんて数だ…」

建物と建物の間から覗く数多の呪霊に馬酔木は呆れた表情をした

その異様な光景には、軍人達の数名も気付いた

「What the fuck!?」

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