第三百一話 ページ18
ーーーーー
「今、どんな気持ち?」
暗闇で揺らめく蝋燭がぼんやりと辺りを照らす
五条家にある地下室
Aは目の前で異様なまでに怯えている女にそう聞いた
その右足首には鎖が付いていた
「貴女を此処に閉じ込めてから2日経ったんだけど」
「……ごめん…なさい」
「それは、何に対する謝罪?」
「え…?」
「私を殺そうとしたこと?」
「え…と…」
「まぁ何でも良いけど」
Aはどうでも良さそうにそう言うと、女に近付き目を合わせた
「…!」
「少しは分かった?
この部屋の…この暗闇の“恐怖” そして、“孤独”が」
「わ、かった…わ……」
「本当に?」
「ええ…本当よ
だから……お願い………此処から、出して…」
「いいよ」
「!?」
あっさりと予想外の返答をしたAを女は目を見開いて見た
「但し、条件がある」
「じょう…けん…?」
「1つ、五条家とは絶縁すること
2つ、私の“母親”を名乗らないこと」
「…………」
本当にそれだけなのかと言いたげな目で女はAを見た
「条件を飲むなら、この部屋から出してあげる
その後はちゃんと、貴女の実家……“北条家”に送ってあげる
勿論、その隙に殺したりはしない」
「…………」
女は息を呑んだ
あまりにも女にとって好条件過ぎる
「もっと喜びなよ
従兄弟との間に作った“息子”と、漸く一緒に暮らせるんだから」
「…ッ!?」
何故そのことを知っているのかと驚き困惑した表情を女はした
ガシャン
「後はお願い」
鎖を壊したAはタイミングよく扉を開けた玲司にそう言うと部屋を出て行った
168人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
A(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませてもらってます! 落ちは決まってますか?狗巻棘落ちだと嬉しいです。 (11月18日 16時) (レス) @page25 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 秋美さん» ありがとうございます、返信遅くなりました。渋谷事変始まりましたね!推しが…!!大変だ…!! (これから更新ペースが少し上がるかもです。良かったら楽しんでください!) (9月25日 14時) (レス) id: 8cdf08c5b6 (このIDを非表示/違反報告)
秋美(プロフ) - もうすぐ渋谷事変が始まりますね、、、!それに乗じてこの作品を見返しにきました!!!更新いつまでも楽しみに待ってます!!!!番外編の方も作者様のペースで更新待ってます!!!!! (8月25日 17時) (レス) id: 651af2d60e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2022年2月28日 6時