第二百九十八話 ページ15
ーーーーー
「“六眼”の呪いを解呪すれば、君の“天与呪縛”は完成するだろう」
真っ白な空間の薨星宮・本殿
お世辞にも人間の見た目をしていない天元とその前に座るAが話す
「それが、本来あるべき私の姿…」
「そうだね」
天元は頷くと、Aの右眼に手を翳した
「そう痛くはないだろう」
そして、手だけで何かを取り出すような仕草をした
「!」
痛みも何もなく、その仕草に対応するように“六眼”は天元の掌の上に乗った
Aは右目に手を当てた
あるはずのものがそこにはなく、代わりに空洞があった
すると、天元の掌にある“六眼”が青い炎に包まれた
「(呪いの気配…!)」
「これは、本来の持ち主の分断された“魂”だ」
天元はそう言うと、“六眼”を持つ手を軽く握った
そして開く
手品のように“六眼”は消え去り、呪いの気配も消えた
「君自身にかけられた呪いは解けたよ」
天元はそう言うと、再びAの右目がある場所に手を翳した
「!」
空洞だった場所に、あるべきものが戻った
左眼と同じ深青色の眼がそこにはある
「だが、君が“本当の意味”でこの呪いを解きたいのなら、もう片方の“六眼”…それに宿る“魂”ごと壊す必要がある
本来なら中々出来ることではないけれど、君には『細雪』がある 壊すこと自体は簡単だろう
まぁ、今は“五条悟”も封印されているし、状況が状況だ 今すぐにとは言わないよ」
「……天元様 ありがとうございます」
「……さて、少し君の“天与呪縛”の話をしようか」
天元はそう言うと、Aを立たせた
「君の“天与呪縛”は特殊だ
“素で“六眼”の情報を処理する脳”
“呪いに対する異常な受信体質”
そして、“負の感情から捻出する呪力量”だ」
「こう聞くと自分でも特殊だと思いますね」
「君の脳は休むことを知らない
睡眠時間でさえも忙しなく稼働している
呪いを感じ過ぎる上、捻出する呪力は常人の数倍だから、許容量を簡単に超えてしまい、非術師以上の呪力の漏出を招く
“六眼”の呪いを解呪したことで、君の“天与呪縛”は完成した
君の天与呪縛は、端から聞けば恩恵しかないようなものだけど、呪いは“呪い”だ
この先の君の苦労は、今までの比じゃないだろうけれど、君の決断には感謝するよ」
168人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
A(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませてもらってます! 落ちは決まってますか?狗巻棘落ちだと嬉しいです。 (11月18日 16時) (レス) @page25 id: f296b2ed74 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 秋美さん» ありがとうございます、返信遅くなりました。渋谷事変始まりましたね!推しが…!!大変だ…!! (これから更新ペースが少し上がるかもです。良かったら楽しんでください!) (9月25日 14時) (レス) id: 8cdf08c5b6 (このIDを非表示/違反報告)
秋美(プロフ) - もうすぐ渋谷事変が始まりますね、、、!それに乗じてこの作品を見返しにきました!!!更新いつまでも楽しみに待ってます!!!!番外編の方も作者様のペースで更新待ってます!!!!! (8月25日 17時) (レス) id: 651af2d60e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2022年2月28日 6時