【名探偵コナン】烏とダイヤモンド〈4〉

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ｰｰｰｰｰ8時間前

アメリカ・ニューヨーク

大通りから外れた細い道を1人の男は歩いている

男は周囲を警戒するように辺りを見渡している

尾行を気にしているのだろうか

男は不安気な表情で路地にひっそりとあるバーに入った

レトロな雰囲気のバーだ

客がちらほらいる

男はカウンターにいるバーテンダーに声を掛ける

「ファジーネーブル……“オレンジジュース抜きで"」

バーテンダーは注文を聞くと、男をちらりと見た

「…………畏まりました 奥の部屋でお待ち下さい」

そして、人知れず鍵を男に差し出した

「ありがとう」

男はそう言うと奥の扉を開けて中に入って行った





扉の奥は、地下へと続く階段だ

その階段の先はカジノ

違法スレスレのグレーでアングラなカジノだが、かなりの著名人が極秘裏に来ていたりと特定の界隈では有名であり人気だ

男はFBI捜査官

このカジノの監視と此処での情報収集を命じられ、定期的に来ている

というのも、此処ではチップの換金が現金だけでなく"情報“でも可能という極めておかしなカジノだからだ

情報の価値はカジノ支配人が決める

ギャンブルの場において、はした金は役に立たない

情報を換金する人間がもつ“情報"というのは、ギャンブルをするに相応しいだけの価値に相当するもの

つまり、機密性の高い情報の可能性が高いのだ

それらの価値を付ける支配人は、相当な数の情報を握っていると考えられており、FBIは以前からマークしている

「(しかし、今日はとんでもねぇ大物がいるなぁ)」

男の視線の先には、アジア系の男と銀髪の男が居た

「(張浩然……真逆、アメリカに居るとは)」

張はポーカーの席に座っていた

秘書の男は斜め後ろで目を閉じて立っている

「私はそろそろ…」

すると、張の隣の席に座っていた男が上機嫌に席を立った

どうやらゲームは終わったらしい

1テーブルに3人がつけるポーカー台から去る人、残る人それぞれだ

張は席に座り続けている

「(張浩然から情報を抜き出す絶好のチャンス、だな)」

男は張の隣の席に向かった

「お隣、いいですか？」

そして、張にそう聞いた

「ああ」

張が頷くと男は席に座った

「ｰｰｰｰｰでは、こちらの台のディーラーは、私がやりましょう」

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