【名探偵コナン】烏とダイヤモンド〈4〉

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「ＴＯＢをそんな事に使うなんて…」

驚いたような、呆れたような表情で十七夜月(かのう)は言った

「でも、経営権を奪った所で社長は変わらないでしょ？」

「普通のＴＯＢはそうだけど、これは私達が仕組んだものだから
それに、株主にはカリー社長の裏ビジネスに加担してた連中が多かったからね」

「成程
仮にそいつ等がもう捕まっていたとしたら、自分の悪事はバレ、社長としての地位も名誉も全て失い、自分も拘束される
株を操作するだけでこれだけの結果を引き起こすとは、流石ですね」

「まあね
それで、此処からはお前達の番って訳
これだけお膳立てしてあげたんだから、一人残らず牢屋にぶち込まないと駄目だよ
じゃないと、私がここまでやった意味がない」

小鳥遊の言葉で2人は全てを察した

警察が仙波のビジネスを捜査するにあたって、邪魔になるカリーを先に排除して、警察の捜査の円滑化を促した

「ｰｰｰｰｰ約束するわ」




　




　




　
十数時間後

ヘリは都内の高層ビルの屋上に降り立った

「香織！！」

「お、お父さん！？」

ヘリから降りるなり、初老の男が言峰に駆け寄った

「怪我はないか？ 何もされていないな？」

「だ、大丈夫だけど…」

「良かった…」

言峰の返答に男は胸を撫で下ろすと、小鳥遊の方を見た

「Ms.ダルシアク 娘を助けていただき感謝します」

「いえ 仕事ですから」

小鳥遊がそう言うと、フレッドがサーガと仙波を連れて来た

小鳥遊の合図によってヘリは離陸し、ビルから遠ざかっていった

「どうやら、例の作戦は上手くいった様だな」

タイミングを見計らって、西条が小鳥遊にそう言った

「お陰様で、私の上司は上機嫌です」

「…そちらの彼は？」

西条がサーガを一瞥して問う

「新しい部下です」

「おい、何をｰｰｰｰｰ」

「ｰｰｰｰｰあまり深くは聞かないでください」

「…………分かった」

サーガの言葉を遮った小鳥遊に西条は色々と察したと言いたげな表情でそう言った

「………君がご所望だった”検査結果“が既に出ている」

西条は深呼吸をすると、話題を変えた

「私の予想通りでした？」

「ああ」

「なら、必要なものは全て揃いました 後は、逮捕するだけです」

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