【名探偵コナン】烏とダイヤモンド〈2〉

・ ページ37

ｰｰｰｰｰ

3日後 夜

白のパンツスーツに身を包んだ小鳥遊は工藤邸を訪れた

「急な申込みに応じて頂きありがとうございます」

「いえ
此方こそ、貴重な機会を頂きありがとうございます」

応接室のソファーに優作と小鳥遊は向かい合って座っている

「(隠しカメラ数台に盗聴器…
見張りは、邸内に4人、外に3人と言った所か…)」

「ｰｰｰｰｰ次の新作では、犯罪者プロファイラーを主人公としたくて」

「でしたら、私ではなく本職の方に取材を申し込んだ方が良いのでは？」

「貴女はその本職の方達に教える立場…教えを請うにはうってつけと思いましてね
後は、個人的な興味ですよ 知り合いからは貴方の話を聞いていましたから」

「知り合い？」

「ええ
スコットランドヤードやニューヨーク市警には馴染みの刑事がいるのでね」

「そう言えば、私の知人も話していましたね
悪趣味な爆弾魔と殺人犯の逮捕に協力なさったとか」

「おや…ご存知でしたか」

「ええ かなり注目を浴びたニュースですから」

小鳥遊が言っているのは、ロンドンのウィンブルドンの大会の最中に起きた事件の事だ

「……個人的に貴女で印象深いのは、矢張り、“12年前”ドイツで起きた猟奇殺人事件ですかね」

「…………」

小鳥遊は、カラーレンズメガネの奥で一瞬目を細めた

「独自の犯罪者プロファイリングの手法で犯人を特定し、解決に導いた
失礼かもしれませんが、いつから教授を？」

「大学院を卒業した後、恩師に教授をやらないかと誘われたので、アグレガシオンを取って准教授になりました
その時に臨床研究を本格的に始めて、そこで幾つかの事件の冤罪を晴らしたんです
そしたら、ご存知の通りプロファイリングを依頼されまして…」

「冤罪を晴らしたんですか？」

「ええ
殺人は、人の心理が大きく作用する
しかし、警察の捜査は、まだそこを考慮していない
状況証拠や一刑事の思い込みと主観で犯人扱いされ、有罪判決を受ける人間は一定数います
それは不公平であり、あってはならないことです」

小鳥遊はそう言って左手で髪を耳に掛ける

『ｰｰｰｰｰ』

「…………」

そして、出された紅茶を一口飲んだ

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す