【名探偵コナン】烏とダイヤモンド〈2〉

・ ページ34

ｰｰｰｰｰ

翌日

「降谷さん」

警察庁に来ていた降谷に風見が資料を差し出した

「小鳥遊Aについての捜査結果です」

降谷は資料を受け取ると目を通し始めた


17歳でオックスフォード大学心理学部に入学

21歳で大学院を卒業、研究の傍ら教授の助手を務める

22歳からオックスフォード大学心理学部の准教授

27歳から、日本で東都大学の特別講師をする

29歳から、特別講師の傍ら、科警研やSSBCでのプロファイラー育成に携わる


「本名は、レティシア・A・ダルシアク……ハーフなのか」

降谷がそう言って資料を捲ると、別の人物の捜査資料が現れた

「その男は、小鳥遊Aの実父です」

「クロヴィス・ダルシアク……フランス統合参謀総長…フランス軍のトップだと…！？」

降谷は目を見張って、資料に見入る

しかし、目ぼしい情報はない

「すみません
フランス軍への情報開示請求は、通るはずもなくて」

「これが分かっただけでも十分だ…
それより、十七夜月(かのう)警部と彼女の関係は？」

「それは……」

降谷の問いに、風見は言葉を濁す

「恋人か？」

「その確認は取れていません
ですが、十七夜月(かのう)さんの事です
小鳥遊Aが元組織の人間と知って、接触している可能性もあります
十七夜月(かのう)さんは、潜入捜査の経験もありますから」

風見はそう言った

風見としては、かつての上司を疑いたくはないのだ

「…母親の情報は？」

「それが……全く出て来なくて」

「出て来ない？」

「はい」

「…………」

降谷は顎に手を当てて考え込んだ

日本人である筈の母親の情報が一切出てこないというのは不思議な話だ

故人であったとしても、データは残っている筈だからだ

「……十七夜月(かのう)警部って、ゼロに居たのは2年間だけなんだよな？」

「はい 警察学校を卒業してすぐだったそうなので、公安の研修とかはかなり厳しかったそうです」

「厳しかった？ あまりそんな感じはしなかったが…」

「担当が違うんです
十七夜月(かのう)警部の頃は、“ハルさん”が研修担当だったそうなので」

「“ハルさん”って……あの？」

「はい
十七夜月(かのう)さんは、ハルさんの愛弟子らしいんですけど……」

「？」

「物凄く仲が悪くて…」

困ったような表情で風見は言った

「仲が？」

「はい 私も詳しくは知らないんですが、かなり噂としては有名でしたね」

「………そうか…」

降谷はそう言って顎に手を当てた

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す