【名探偵コナン】烏とダイヤモンド〈2〉

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ｰｰｰｰｰ

数時間後

ISRT拠点

『ｰｰｰｰｰ公安が“ロゼ”を嗅ぎ回っていると…？』

“Sound Only”と表示された巨大モニターから男の声が聞こえてくる

「恐らく、“ロゼ”を公安の協力者に引き込んで、組織の深部に潜り込むつもりか…
あるいは、情報を引き出すために幽閉するか…
どちらであっても、彼等であれば不思議ではありません」

十七夜月(かのう)がモニターに向かってそう言った

『後者は妥当な判断だが…前者はかなり“賭け”じゃないか？』

「降谷君はそういうタイプかと」

『降谷はお前の部下だったのか？』

「いいえ 彼が公安に入ったのは、私が公安を去った直後
ですが、典型的なタイプですよ “正義感が強く、自信過剰で感情的になりやすい”」

『ほぉ…』

「公安の若きエースとしての実績は申し分ありませんが、些か……“手段を選ばなすぎる”のが傷ですね」

『と言うと？』

「彼は、“国の為に死ねる”側の人間です」

『………国の為なら、如何なる手段も選ばないか…
例え、自分の命を落とすとしても……他人の命を掛けてでも』

「そういう節はありますね
現に彼は、“死を偽装した赤井秀一を組織に差し出そうとした”」

『成程 何としても、“ロゼ”を自陣に引き込むつもりか…』

「……ボスはどのような判断を？」

十七夜月(かのう)はモニターの奥にいる人物にそう問うた

『判断？』

「公安は、やると決めたら手段を選びません
ましてや、ターゲットが“組織のボスのお気に入り”となれば」

『……レティシアは、“ロゼ”ではない
私が選び抜いた、優秀な部下だ 若造の1人や2人に手出しはさせん
まぁ、彼奴が若造相手に負けるとも思えんがな』

男がそう言うと、モニターが切り替わった

映っているのは、西洋人の初老の男性

『十七夜月(かのう) 公安の動向を監視しろ
何かあったら張達と情報を共有し、策を考えろ 私への連絡も怠るな』

「分かりました ボス」




　
話を終えた十七夜月(かのう)は部屋を出た

「ｰｰｰｰｰボスと内緒話？」

「！！ Aさん…」

突然掛けられた声に驚き、声の方を向くと、そこには壁に寄り掛かった小鳥遊が居た

「聞いてたんですか？」

「最後だけ聞こえた」

小鳥遊はそう言うと、壁から背を離した

「そんなことより、夕飯食べた？」

「……え？」

唐突な質問に十七夜月(かのう)は困惑した

「どうなの？」

「まだ…ですけど」

「じゃあ、何処かに食べに行こうよ 私が奢るから」

「…なら、高いもので」

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