【名探偵コナン】烏とダイヤモンド〈2〉

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「ｰｰｰｰｰ十七夜月(かのう)警部が避難を…？」

「ああ」

「それだけの功績がありながら、何故彼は今公安にいないんですか？」

降谷は菊池に聞いた

「……大臣達が避難を終えた直後、爆弾が爆発した
会場内で避難誘導を行っていた彼は、部下を庇った末に大火傷を負った」

「…！」

「その怪我のせいで、彼は2年間離職した
復帰後、公安の仕事は続けられないということで、彼は公安を去ったんだ」

「……現在は警視庁捜査一課にいるようですが」

「ああ
彼は他に類を見ない程優秀だからな
あの怪我がなければ、君の上司として上手くやっていただろうに」

「公安…ましてやゼロの人間が、捜査一課への転属など赦されるんですか？」

「……彼の怪我は、私があの時、機転を利かせられなかったから起きてしまった悲劇
警察学校を出て、僅か2年しか経っていない新人の未来を奪ったしまったという責任が私にはある
だから、私は彼に言ったんだ 『もしまだ警察官を続けたいと思っているのなら、私ができる限りのサポートをしよう』とな」

「それで十七夜月(かのう)警部は、警察に遺ることを選んだ…」

「私が気を遣わせてしまったのかもしれないがな」

だとしても、降谷には疑問が残る

その疑問を口に出すよりも先に、菊池が口を開いた

「すまないが、もうすぐ開店時間だ」

「…！」

もうそんな時間かと降谷は店内の壁掛け時計に目を向けた

「私が覚えていることは粗方話した
あとは、彼本人に聞くなりしてくれ」

「……御協力ありがとうございました」

「珈琲代は不要だ 早く捜査に戻れ」

「…失礼します」

色々と腑に落ちないが、菊池がこれ以上話す気が無い事を悟った降谷は、挨拶をして店内を出た



降谷が店内を出たあと、菊池は降谷が座っていた席の近くのテーブルの裏やスツールの裏などを見た

「(盗聴器は無いか…)」

菊池は盗聴器が無い事を確認すると、携帯電話を取り出して電話を掛けた

「私だ
君の予測通り、金髪の彼が尋ねてきたよ」

『やはりそうですか』

「君のことは、事前に決めた事しか言っていない」

『御迷惑をおかけしました 菊池さん』

「他でもない君の頼みだ 問題はない
それより、大丈夫なのか？」

『この手のスペシャリストが動いているので問題ないかと』

「私は君の心配をしているんだが…」

『フフ 大丈夫ですよ』

「そうか 良いニュースを期待している」

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