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第13話 月闇の胸の内【ククルーマウンテン編】 ページ22

イルミside

ククルーマウンテンの奥深いその場所は当主と許可を得た者しか入る事が出来ない。

「さぁ、アルカ。今日から此処がお前の部屋だよ。」

アルカの為に可愛く仕上げられた壁の絵。

沢山の玩具だけど、アルカはちっとも嬉しそうにない。

「…お姉ちゃんとお兄ちゃんと一緒が良い…」

アルカは今にも泣き出しそうな表情。

「ッ!我が儘を言っちゃ駄目だよ…アルカ。」

何故かその姿が、無力だった幼い頃の自分を連想させた。

そしてその姿が……………堪らなくイラついた。


「という訳でアルカのおねだりを聞くのがミッションだ。分かったね、カスガ。」


目の前にいる執事カスガ。

この女はゾルディック家(ウチ)の掟を破って恋人を作ったのだ。

其れを知った時、俺の脳裏に彼女の微笑んでいる姿が浮かんだ。

何度、彼女を俺のものにしようと思った事か…

俺の守るべき人、そして、決して手に入らない光。

だけど、叶わない。

だというのに、他の誰かは恋人を作り幸せになろうとする。

その事が無性に俺の心をイラ付かせた。

「ミッションをクリア出来たら、お前とお前の恋人の事を見逃してやる。」

まあ、どうせだし、この苛立ちを発散するついでに、アルカのおねだりの謎を実験する。


まさに一石二鳥だ。


『ご安心なさい、その役目は私が引き受ける。』

「A…何故此処に?!」

『愚問ね、私はアルちゃんの願いを叶えに来たの。』

駄目だ!幾らAの言葉でも素直に聞く訳にはいかない!

「何故だい?アルカは願いを叶える力があるのに?」

彼女は俺に一瞬だけ、視線を向けた。

『イルミ、命令よ。
私が部屋にいる間は他の人を決して入れてはなりません。例え、私の身に何が起きても決して。』

嗚呼…君はなんて残酷な事を言うんだ…

つまり、君は僕に"手を出すな"というんだね。

「分かったよ、僕は偉大な太陽の忠実なる下僕。
貴女の命令に喜んで従う。カスガ、お前は下がっていいよ。」

カスガはイルミの命令に従ってその場を後に。

「A、君は一体何をするつもりなんだい?
わざわざこんな手間をかけてまで…」

俺はAという太陽を、キルアという月を輝かせる為だけの存在。

なら、運命の通りに流れに身を…

そんな事を思った瞬間、跪いた俺の頭を包む様な感触が…


嗚呼、何も変わらない。

暖かな温もり、優しい香り、眩しいぐらいに美しい瞳とその姿。

『イル、ごめんね。どうか、幸せになってね。』

その言葉と共に彼女は扉の向こうへ行ってしまった。

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設定タグ:ジョジョの奇妙な冒険 , クロスオーバー , HUNTER×HUNTER   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:空夜☆時音 | 作成日時:2019年10月5日 21時

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