第三十五の怪 手がかかる程可愛い 【16時の書庫編】 ページ40
⭐土籠side
『やっぱり、先生は優しいですね。』
そう言って笑うお前の笑顔が俺の心臓を握り締める。
まるで、俺の命がお前に握られている様に。
「そうか？まあ、お前達限定だと思うがな。
昔から言うだろ、手のかかる奴ほど可愛いってな。」
実際、こいつは何で彼氏居ないのか不思議なぐらい美人だしな。
『な、もう、私はツッチーが思うほど子供じゃないのよ！』
「ハッ、馬鹿、そんな事言ってる間はガキなんだよ。悔しかったら、さっさと彼氏でも作りな。」
まあ、出来たら出来たで、そいつの肝を試すがな。
と言うか、俺、そいつを生かしておける自信ねぇ。
『あ、ところで前々から気になっていたんだけど。』
「ん、何だ？」
『16時の書庫に書いてある内容って変えられるんですか？』
「残念だが基本的に未来の変革は無理だ。
書庫の管理人である俺なら可能だが未来を変えると消されちまう決まりだからな。
A、お前は俺に消えて欲しいのか？」
『そ、そんな…先生が消える…そ、そんな…』
「ふ、馬鹿、冗談に決まってるだろ。
大丈夫だ、俺はお前が一人前になるまでは側に居てやるから。」
『本当に？』
「嗚呼、約束してやる。
お前の様なお転婆から目を離したら人様に迷惑をかけちまうからな。」
涙目のAに一瞬、理性が吹っ飛びかけたがグッと堪えた。
『あ、後、さっき花子くん兄弟の事を調べる為に本を探したんだけど…もしかして、本自体が存在しないの？』
「いや、あるにはある…残念だが、基本的に怪異になった者の記録は閲覧出来ねえ、まあ、緊急時なら話は別だがな。」
だが、今はその時じゃねぇ。
「さっきの話だが、1度だけ見たことがある、未来が変わる瞬間。
だから、お前が未来の変革を望むならそれが変わればいいと思うよ。力にはなれんがな…ついたぞ」
初めて入る最深部、其処にはボロボロである内装に似合わないキラキラと輝く宝石が置いてあった。
『わぁ！ここが最深部ですか！？すごい綺麗！宝石たくさん！この中のどれかが先生の依代なんですか！？』
「いや…これだ」
『うーん、見た目は汚いけど…何だろう、不思議な感じがする。』
「人の依代に向かって汚いとはなんだ。まあ、お前の言う通り。
そいつはな、さっき話した未来を変えた奴から貰ったんだ。」
『なんの石なの？』
「あー月の石』
『…ニセモノ？』
「いやぁ、本物だよ。
人類が初めて月に行ったのはいつだったか知ってるか？その石を渡されたのはその記念すべき日の翌日でね。」
俺はあの時のアイツの横顔を浮かべながら静かに目を閉じた。
第三十六の怪 これ以上に大切なもの【16時の書庫編】→←第三十四の怪 傷を厭うもの… 【16時の書庫編】
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空夜☆時音(プロフ) - 嗚呼さん» ありがとうございます！気に入っていただけて嬉しいです！ (2020年2月28日 18時) (
レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
嗚呼 - オリジナル面白いです！ (2020年2月28日 18時) (レス) id: 5faa0d3c7f (このIDを非表示/違反報告)
空夜☆時音(プロフ) - こっちんさん» ご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2020年2月26日 21時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
こっちん - 登場人物設定の四十・四十一の怪に出てくる名前の星蘭が"優姫"になっていますが？？ (2020年2月26日 21時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
こっちん - 夢主と花子くんとつかさくんの3人が出てくる場面が楽しみです！！3人の反応がどんな風になるのかワクワクします！！ (2020年2月25日 19時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空夜☆時音 | 作成日時：2020年2月16日 23時
