第十八の怪 再会【ミサキ階段編】 ページ21
「ヤコ…ごめんな。」
「え…？」
気づいた時にはヤコは岬に抱きしめられていた。
「うそ、ミサキ？本当に？本当にミサキなの？」
「嗚呼、そうだ、ヤコ、ごめんな。長い間会いに来てやらなくて。」
心に響くその言葉にヤコの目から涙が溢れ出した。
「ウ、本当よ…一体何年待たせたのよ！！
そのせいで、私…Aを失うかと…ウ…岬、会いたかった。」(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥｀)
「…嗚呼、ヤコ、待たせて本当にごめんな。」
ヨシヨシと背中を撫でるその姿はまるで親を見つけた幼子の様で。
『(良かったね、ヤコちゃん。先生に会えて…)』
私もいつかは会えるのかなぁ…おじいちゃんに。
「ふぅ、どうやら、間に合ったみたいだね。」
『な！花子くん、どうしてこんな…ッごめんね。』
ボロボロな姿の花子くんの姿に私は罪悪感がよぎる。
「っう、謝る必要なんてないよ。
俺がしたくてした事だし、其れにどんな目に合おうと俺は大切な人を守る。」
『え…』
私はふと土籠先生の言葉を思い出した。
"案外すぐ近くにいるかも知れないぞ。"
『…花子くん…まさか…』
「さて、感動の再会の所悪いけど。
学園が七不思議が二番、ミサキ階段。
お前は役目を放棄した。
その席番は還してもらうよ。」
晴れ晴れとした表情のヤコに…。
「ええ、元々、私はミサキに会えれば其れで良かったもの。喜んで席番を返上するわ。」
私は安堵した。
「其れと…ありがとうA。そして、ごめんなさい。
私、ミサキだけじゃなくて、貴女までを失うところだった。」
ヤコはAの事をギュッと抱きしめた。
「A、私の依代…良かったら貴女が壊してくれない？」
『え…でも、良いの？』
予想外の言葉に私は目を見開いた。
「もちろん、ミサキに会えたのはAのお陰だし、其れにAになら依代を壊されても構わないわ。
ね、ミサキ？」
「嗚呼、Aちゃん、お願いできるかな？」
『…分かりました。』
私は上へと駆け上り、祠にある古い髪切り鋏に貼ってある札を剥がした。
第十九の怪 さよならは悲しい言葉ではない【ミサキ階段編】→←第十七の怪 寂しがりやの女の子【ミサキ階段編】
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空夜☆時音(プロフ) - 嗚呼さん» ありがとうございます！気に入っていただけて嬉しいです！ (2020年2月28日 18時) (
レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
嗚呼 - オリジナル面白いです！ (2020年2月28日 18時) (レス) id: 5faa0d3c7f (このIDを非表示/違反報告)
空夜☆時音(プロフ) - こっちんさん» ご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2020年2月26日 21時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
こっちん - 登場人物設定の四十・四十一の怪に出てくる名前の星蘭が"優姫"になっていますが？？ (2020年2月26日 21時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
こっちん - 夢主と花子くんとつかさくんの3人が出てくる場面が楽しみです！！3人の反応がどんな風になるのかワクワクします！！ (2020年2月25日 19時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空夜☆時音 | 作成日時：2020年2月16日 23時
