誰ソ彼乙女は、かの人の孫 【地縛少年花子くん】

第十五の怪　空っぽの体【ミサキ階段編】 ページ18

という、感じで私達は腕を探してたの…だけど。

「もう！探すのは女の人の右腕なのに！
光くん自分の好みの腕もってきたでしょ！
花子くんは真面目にやる！もう！聞いてるの！？」

三人は色々な腕を持ち寄って話をしている中で。

『(ヤコちゃん…ミサキさんの事であんなに思い貯めていたなんて…どうして、相談してくれなかったんだろう。)』

事情を知っているからか、複雑な心情だった。

「Aちゃん、隣、良いかな？」

『あ、はい。』

彼は隣に腰掛ける。

「Aちゃん、ありがとう。」

『え？』

「アイツの事を大切に思ってくれて…正直安心した。」

『あの…そういえば、まだ、御名前聞いていませんでしたよね？今、聞いても大丈夫ですか？』

「ん？嗚呼、そうだった。俺の名は「時間だよ 時間だよ」おっと、時間だな。」

タイミングが悪いのか結局、彼の名前を聞かなかった。

『(うーん、絶対、見たんだけどなぁ…)』(・・?)

そんな疑問を抱きながら私達は要求された部品を次々と集め、遂に最上階へと辿り着いた。

「ようやく来たのね。」

其処にはびっくりするくらい綺麗な人…人間の形をしたヤコが立っていた。

「……あ。」

『(ヤコちゃん…)』

スタタタ

『え？ヤ「……」あ、其れは…』

凄い人形ながめてる…

「あっ、あのぉ。その人形は」

「こ、これでも結構頑張って」

「これ、素敵な身体ね」

「「「「「「へ？」」」」」」

色々凄い身体に対し、私達は目を点にした。

「実はね、とっても困ってたのよ。
人間の身体って何出てきてるのかあたしはさっぱりなんだもの。」

「は、はい？」

「でも、やっぱり人間のことは人間に聞くのが1番ね。
これまで出来上がった身体とも全然違う……今度はきっとうまくいくわ」

今度はって…まさか！

「そうよね？"ミサキ"？さぁ、歩いてみせて、頂戴な」

ヤコがフゥーと息を吹きかけると人形はガタガタと音をたてて動き出そうとした。

が、直ぐに崩れ去り使い物にならなくなった。

「まぁ、また失敗なのね。残念だわ」

「あ、あのぉ。私達の他にも生徒たちが来ませんでしたか？その子達は…」

「他？あぁ、失敗した子達の事ね。
それなら、そこらじゅうに居るじゃない。」

よくよく見ると其処には人の形をした人形がゴロゴロと転がっていた。

そして、寧々は親友のものを見つけると走り出した。

「はぁ 何度も何度も失敗ばかり…もういいわ。貴方達も噂の通りに引き裂いてあげる」

そうして鋏を使おうとした瞬間。

『もう止めて！ヤコちゃん！』

私の体は勝手にヤコちゃんの元に駆け出していた。

第十六の怪　男の正体　【ミサキ階段編】→←第十四の怪　偽りのミサキ【ミサキ階段編】

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