RPG 神々の戯れ (ページ6)

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赤と翠ページ6

しばらくすると、滝壺の湖に着いた。
さっきの黒髪の人が狼を解体しているところのようだ。
？「トントン、戻ったで」
？「おうちゃんと生き残り君も連れて来たみたいやな」
翠の人と黒髪の人のやり取りで名前を知る。
翠の瞳に亜麻色の髪の人がゾムさん。
緑のパーカーをきて大弓を背負っている。
狼を仕留めたのはこの人なんだろう。

黒髪に赤瞳の人がトントンさん。
季節外れの赤いマフラーをした大きな人。
赤い目は僕みたいな血色じゃなくて、宝石を思わせる色。
そばに体と同じくらい大きな剣があるからそれをつかうんだろうな。

この人達に助けられた僕は、生きなきゃいけない。木に寄りかかって拳を握りしめる。

トン「なぁ、君さ、名前なんていうん？」
エル「....エルです。」
トン「そっか。辛いかもしんないけど、なんかあったら俺らのこと頼ってな。」
優しさしか見えないその言葉で、何かの糸が切れた気がした。
エル「なんで...二人は、家族は、ﾀﾋななきゃいけなかったんですか。二人は何も悪くないのに。」
「僕が【悪魔】だからですか。」
「こんなこと言っても、どうしようもないのはっ知ってます、

　でもなんで僕だけ助けら(救わ)れたんですか。」

視界が歪む。例え村の人に嫌われたままだったとしても、二人と暮らして居たかった。
どうして僕だけ。
うるさい自分の嗚咽のなかに砂利をふむ音が混じって聞こえる。直にそれは草のものに変わって僕のまえで止まる。
ふわりと、大きく温かな手が頭に乗せられ、
そのままスッポリとその体につつまれる。
トン「ごめんなぁ、早く行ってやれんで。
受け入れるなんて無理だよな。泣いてええ、怒ってええよ。吐き出して楽になろうや。

俺らは君を嫌いになったりせんから。」

驚いて暴れる僕の頭を撫でてしっかりと抱き締めながら言葉を紡ぐトントンさんの胸で、僕は
訳のわからない言葉を喚き散らしながら暫く泣いて、いつの間にか眠っていた。